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| □ 全裸の女のシルエット | |
| ――浴室のすりガラスの扉越しに見える。 | |
| ――シャワーの音。 | |
| □ シティホテルの一室・浴室 | |
| シャワーを浴びているのは――女、ではなく、残念ながら小田切。 | |
| 気持ちよさそうに汗を流している。 | |
| □ 同・中 | |
| 浴室から出てくる小田切。 | |
| ベッドに、全裸の女がうつぶせになっている。まだ余韻の中にいる。 | |
| 小田切 | 「(ベッドに腰掛け)シャワー、浴びないのか」 |
| 女、上体を起こす。――美人だ。 | |
| 露になった胸も隠そうとせず、真ッ直に小田切を見る。 | |
| 小田切、怪訝。 | |
| 女 | 「結婚しましょう」 |
| 小田切、一瞬ドキッとなるが、微笑する。 | |
| 小田切 | 「君には昨夜から笑わされっぱなしだよ」 |
| 女 | 「(真面目な顔で)私、決めたの。あなたみたいな人、初めてよ。話は合うし、カラダの相性だってピッタシ! ね、あなただって........(言いかけてフト黙る)」 |
| 女か話している間に窓際へ行った小田切、怪訝に振り返る。 | |
| 女 | 「........バカみたい。結婚してるんだ、その歳だもんね」 |
| 小田切 | 「いや........」 |
| 女 | 「独身!? やった! 私たち、今日のために独身でいたのね。赤い糸で結ばれてたんだわ」 |
| 小田切 | 「........(苦笑しながら窓の外を見ている)」 |
| 女 | 「(窺うように見て)ダメ?」 |
| 小田切 | 「ダメ」 |
| 女 | 「ゆきづりの男とネるような女だから?」 |
| 小田切 | 「いや........」 |
| 女 | 「あなただってゆきづりの女とネてるんだもんね」 |
| 小田切 | 「........私は、結婚に向いてないと思う」 |
| 女 | 「そんなこと、私だって向いてるかどうか判らないわ。二人で頑張ってみましょうよ。過去に失敗したことあるのかも知れないけど、私とだったらうまくいく。保証するわ」 |
| 小田切 | 「(苦笑している)」 |
| 小田切のポケットベルが鳴る。 | |
| 女 | 「(首をすくめ)時間切れってわけ」 |
| 小田切 | 「すまない」 |
| と、ベッドの横に来て、ポケットベルを止める。 | |
| 女 | 「いいわ。もし、今度バッタリ会うことがあったら、本当に赤い糸よね」 |
| 小田切 | 「ああ........(と、軽く)」 |
| 女、小田切のパスローブを引っ張る。 | |
| 小田切、バランスを崩し、女の上に倒れ込む恰好に。 | |
| 小田切の背中に手を回し―― | |
| 女 | 「もう一回」 |
| 小田切、女の強引さに驚いているが、静かに―― | |
| 小田切 | 「........いかなければならない」 |
| 女 | 「ね、もう一回........お願い(と、ウインクする)」 |
| 小田切、首を振って起き上がろうとするが........女、離さない。 | |
| したたかな微笑みで小田切を求める。 | |
| 逃げられない小田切の困惑した顔で―― | |
| □ タイトル | |
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