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●恋する京都 第1回 (1)

□ 炎が作る“大”の文字
京都大文字山の送り火である。
鴨川べりで大文字山を見上げる人たち。
少女の声
(以下、N)
「(京都の言葉で)京都の夏のクライマックスは、五山の送り火です。決して“大文字焼き”と言わんといて下さい。お盆にお迎えした先祖の霊を送る大事な行事なんです」
□ ある座敷
芸妓の後ろ姿。
その手には酒盃。
座敷の窓から見える送り火が映っている。
芸妓の口許に運ばれる酒盃。
送り火が揺れる。
紅を引いた芸妓の唇が酒盃に触れたのだ。
□ 大文字山・山腹(翌日)
多くの人たちが、火床で燃やされた護摩木の消し炭を拾っている。
N  「翌朝、大文字山にはぎょうさんの人が登らはります。送り火の消し炭を玄関先に吊るすと厄除けになると言われてるからです」
消し炭を拾う人の中に、沢井志乃がいる。
──前シーンの芸妓だが、まだ判らなくていい。
志乃、新たに登ってくる人たちを気にしている。
N  「うちのママ。縁起物やら験(げん)かつぎが大好きで、毎年必ず消し炭を拾いに行きます。たいてい誰かを誘て……」
志乃の隣で炭を拾っている二十代後半の女性──福原恭子。
志乃の表情が明るくなり──
志 乃「立花さん!」
恭子、! 見ると、志乃は登ってくる男・立花修に笑顏で手を振っている。
立花、生真面目に会釈すると、緊張した面持ちでやってくる。
恭子もドキドキ見迎える。
志 乃「いやあ、奇遇やわあ。一緒に拾いましょ」
と、恭子と立花を接近させて、自分は少し離れる。
N  「二人の再会はママが仕組んだことです。京都ではお節介好きの人のことを“かまい”と言うんやけど、うちのママは人の恋にかまいたがりです」
志 乃「ここで一緒に炭を拾ろた男女は恋仲になるという言い伝えもおすのえ」
ぎこちなく言葉を交わす恭子と立花。
志乃、微笑ましく見ている。
□ タイトル

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(2)へ続く

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