NAVI

●恋する京都 第2回 (1)

□ 先斗町の通り
華やかな芸妓姿の志乃、舞妓の桃香他芸舞妓たちが歩いていく。
N  「今日は先斗町の“事始め”です」
――あるお茶屋の前。
志乃たち、女将に挨拶する。
「おめでとうさんどす」
N  「おめでとうと言うてもまだお正月やありません。これからお正月の準備を始めます、という挨拶なんです」
志乃、しとやかに頭を下げていたが、歩き出すとぼんやりしてしまう。
志 乃「……」
□ フラッシュ
――圭吾の畑。
志乃、土に足を取られ、転びそうになる。
圭吾、反射的に抱き留める。
志 乃「すんまへん」
と、顔を上げる。
二人の顔が至近距離に。
圭吾、フッと吸い込まれるように志乃にキスしてしまう。
志乃、一瞬硬直する。
□ 元の通り
志乃、前を歩いていた桃香が立ち止まったことに気づかず、ぶつかってしまう。
志 乃「いや、かんにん」
桃 香「志乃さん姉さん、どないおしやしたんどすか?」
志 乃「……なんでもおへん」
□ 遊山寺・境内
礼服姿の志乃がやってくる。
縁結び地蔵の前は、今日も人だかり。
その中に、深川高子の姿もある。
N  「庵主さんのお寺は縁結びの御利益があり、お地蔵さんに好きな人の名前を三回唱えれば思いが通じると言われてます」
他の人たちは小声で呟いているが――
高 子「後藤丈治……後藤丈治……後藤丈治」
かなり大きな声。しかし、没頭していて周囲の反応には気づかない。
志乃、本堂へ向かう。
□ 同・廊下
志乃、角を曲がってドキリ。
圭吾が前からやってきたのだ。
圭吾もドキリと立ち止まる。
志 乃「……」
圭 吾「……」
志 乃「(言葉を探し)……今日、お料理教室でした?」
圭 吾「……来週の大根焚きの打ち合わせに……」
志 乃「……うちは事始めなんで……」
圭 吾「……そうですか」
志乃、迷うが、会釈してすれ違おうとする。
圭 吾「(迷うが)あの……」
志 乃「……はい」
圭 吾「この前はすんませんでした」
志 乃「――」
圭 吾「その……怒ってはりますよね」
志 乃「(答えに困り)……」
圭 吾「取り敢えず謝ります」
と、頭を下げようとする。
志 乃「(引っかかり)取り敢えず?」
圭 吾「あ、いや、取り敢えずいうのは、深い意味やなくて……」
志 乃「! 深い意味なく……」
圭 吾「ちょっとした間違いで……」
志 乃「間違い!?」
圭 吾「いや、その……あの……(言葉が浮かばず)すんません、忘れて下さいッ!」
と、頭を下げて行ってしまう。
志乃、ムッと見送る。
その様子を、遊心が離れたところから見ていた。
遊心、フム。
□ タイトル

番組データへ

(2)へ続く

(C)Copyright 2001 Kazuhiko Ban. All rights reserved.