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●恋する京都 第3回 (1)

□ 遊山寺・全景
□ 同・調理場
料理教室が開かれている。
志乃、他の生徒たちと一緒にカボチャの煮物を作っている。
遊心が料理について喋り、圭吾は調理台を回って指導している。
志 乃「(圭吾を気にして)……」
遊 心「京都では、冬至になんきん、つまりおかば、かぼちゃのたいたんを食べる習慣があります。中風(ちゅうぶ)よけ、今で言う脳卒中にならへんと言われてます」
みんな、作りながら聞いている。
圭吾、志乃をさり気なく見る。
志乃、視線に気づき、目を逸らす。
圭 吾「……」
遊 心「それから、運と鈍と根の三拍子がそろうと出世できるいう言い伝えもあります。なんきん、にんじん、れんこん、ぎんなん、きんかん、かんてん、うどんと、“ん”の字が二つつくものを七品食べるんです」
生徒1「庵主さん、うどんは“ん”が一つしかありませんけど」
遊 心「うどんは、昔は“うんどん”とも書いたんです」
生徒1「へえ……」
圭吾、志乃のいる調理台にやってくる。
志 乃「(意識して)……」
圭 吾「……火が強すぎる」
志 乃「あ……」
と、調節つまみに手を伸ばす。
圭吾も同時に手を伸ばし、二人の手が触れ合う。
志 乃「──」
□ フラッシュ(第二回のラスト)
──圭吾の畑。
圭 吾「あの……(意を決し)この前のことやけど……」
志 乃「(考え)……間違いの話、どすか?」
圭 吾「いや、間違いというのは間違いという話で……」
志 乃「……」
圭 吾「つまり間違いやなかった、あの時、志乃さんが魅力的やったから、いや、好きだと感じたからやと……」
志乃、立ち上がる。
圭吾、!?
志 乃「……やめましょ、そういう話」
圭 吾「──」
志 乃「(背中を向けて)……うち、芸妓どす」
圭 吾「(瞶めて)芸妓さん好きになったらあきませんか?」
志 乃「──。うち、子供がいます」
圭 吾「子供のいる人好きになったらあきませんか?」
志 乃「──」
圭 吾「なんでちゃんと聞いてくれはらへんのですか」
志 乃「……」
圭 吾「……太郎さんですか」
志 乃「(虚を衝かれ)……え?」
圭 吾「死んだ太郎さんのこと、まだ愛してはるんや」
志 乃「──」
圭 吾「……」
志 乃「……はい」
□ 遊山寺・墓地
志 乃「……」
沢井家の墓に手を合わせている。
遊心がやって来る。
遊 心「珍しいやないの、月命日でもないのに……」
志 乃「(墓を見たまま)……会いとうなったんどす」
遊 心「何や、心乱されることあったんか?」
志 乃「──(一瞬絶句するが)何もおへん」
遊 心「(志乃を窺って)そうか?」
志 乃「(笑顔を作って)へえ」
と、再び墓に手を合わせる。
□ タイトル

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(2)へ続く

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