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| □ BUBU中古車ディーラー | |
| 悠作が事務所から出てくる。 | |
| 客用駐車場にだて幼稚園の送迎バスが停車している。 | |
| 悠作、傍に立っている正人に気付き、ちょっと嫌な顔をする。 | |
| 正人、悠作に気付き、会釈する。 | |
| 悠作、営業用スマイルを作り、正人のところへ---- | |
| 悠 作 | 「どういう車をお探しですか?」 |
| 正 人 | 「話があるんです。ちょっと抜けられませんか」 |
| 悠 作 | 「仕事中ですから(無理)」 |
| 正 人 | 「じゃあ……車、見せてください」 |
| と、歩き出す。 | |
| 悠作、面倒臭そうについてゆく。 | |
| 正人、陳列中の一台の車の前に立ち---- | |
| 正 人 | 「試乗出来ますか?」 |
| 悠 作 | 「……」 |
| 悠作、車のドアを開ける。 | |
| 正 人 | 「(乗り込み)一緒に乗って下さいよ」 |
| 悠作、しかたなく乗り込む。 | |
| □ 車の中 | |
| 悠作と正人。 | |
| 正 人 | 「(真摯に)端的に聞きます。津波さんとはどうして別れたんですか」 |
| 悠 作 | 「不躾だな」 |
| 正 人 | 「答えて下さい」 |
| 悠 作 | 「(薄笑いで)いいじゃないですか。過去のことですよ」 |
| 正 人 | 「ボクは津波さんと結婚を前提にお付き合いしたいと思っています」 |
| 悠 作 | 「よろしいんじゃないですか?」 |
| 正 人 | 「しかし、津波さんはまだあなたに未練があるらしい」 |
| 悠 作 | 「そうですかねえ」 |
| 正 人 | 「あなただって判ってるはずでしょ」 |
| 悠 作 | 「判りませんねえ」 |
| 正人、悠作の答え方にムッとなるが、抑えて---- | |
| 正 人 | 「あなたは、津波さんのことをどう思ってるんですか」 |
| 悠 作 | 「どうもこうも……俺たち、別れてンだから」 |
| 正 人 | 「はっきり答えて下さい」 |
| 悠 作 | 「なんとも思っちゃいませんよ」 |
| 正 人 | 「(見据えて)ホントですか」 |
| 悠 作 | 「幸せにしてやってくださいよ」 |
| 正 人 | 「(見据えて)ホントにいいんですか?」 |
| 悠 作 | 「(面倒臭そうに)あなたもしつこいねえ」 |
| □ 大崎デンタルクリニック・控室 | |
| 津波がやってきて、保留中の電話に出る。 | |
| 津 波 | 「もしもし、七海です」 |
| 電話の声 | 「柴崎です」 |
| 津 波 | 「(ちょっとトキめいて)あ……どうも」 |
| と、言った途端、しゃっくり! | |
| 津波、慌てて口を押さえる。 | |
| 天の声 | 「もしもし?」 |
| 津 波 | 「(赤面して)失礼しました」 |
| □ 平河商事・石油開発課フロア | |
| 天が電話している。 | |
| 天 | 「あのう、伊達さん、治療にみえましたか?」 |
| 津波の声 | 「(まだ赤面して)ええ」 |
| ----以下、カットバック(あるいは画面分割)で。 | |
| 天 | 「それで、具合は……」 |
| 津 波 | 「前歯を一本ブリッジにしますけど、たいしたことはないですから。心配なさらないで」 |
| 天 | 「(ホッと)よかった」 |
| 津 波 | 「……そちらの容体は?」 |
| 天 | 「は?」 |
| 津 波 | 「萌子とは?」 |
| 天 | 「……彼女、何か言ってましたか?」 |
| 津 波 | 「あれから口聞いてないの」 |
| 天 | 「……そうなんですか。すいません、ボクがあの夜押しかけなかったら……」 |
| 津 波 | 「あなたのせいじゃないわ」 |
| 天の同僚 | 「柴崎、3番」 |
| 天 | 「(津波に)他の電話がかかって来ちゃったんで……」 |
| 津 波 | 「(残念そうに)じゃ……」 |
| 天 | 「失礼します(と、切り、別の電話に)もしもし」 |
| 津 波 | 「(吐息)……」 |
| □ □□調理師学校・教室 | |
| 実習授業が行われている。 | |
| 栞、楽しそうに料理を作っている。 | |
| ----男女比率は九対一で,可愛い栞は目立つ存在である。 | |
| 栞を意識している男の子が数人いる。 | |
| □ 同・表 | |
| 緊張気味の栞がそそくさと出てくる。 | |
| 小山伸司他男の子たちが追い掛けて出てくる。 | |
| 男の子1 | 「待ってよ、七海さん」 |
| 小山伸司 | 「お茶しようって誘ってるだけだよ。逃げないでよ」 |
| 栞 | 「結構です」 |
| 男の子2 | 「今日は自転車じゃないの?」 |
| 栞 | 「用事、ありますから……」 |
| と、足を早める。 | |
| 小山伸司 | 「いいじゃない、ね、30分だけ付き合って」 |
| 栞 | 「(困って)ホントに用事ありますから」 |
| その時---- | |
| 「栞ちゃん」 | |
| と、声。 | |
| 見ると----幼稚園児満載のだて幼稚園の送迎バスが通りかかる。 | |
| 栞、運転席の窓から顔を出した正人に、パッと表情を輝かせる。 | |
| 正 人 | 「(男の子たちを見て)なんだ、こいつら」 |
| 小山伸司 | 「オジさんこそ、なに」 |
| 正 人 | 「あ?」 |
| 栞 | 「(男の子たちに)兄です」 |
| と、送迎バスのドアを開け、乗り込む。 | |
| 小山伸司たち、顔を見合せ---- | |
| 「失礼しました」 | |
| と、去ってゆく。 | |
| 正人、?? | |
| □ 送迎バスの中 | |
| ----幼稚園児の熱気でムンムン。 | |
| 正 人 | 「(乗ってきた栞に)絡まれてたの?」 |
| 栞 | 「そんなんじゃないんですけど、助かりました」 |
| 正人、ニコッと発車させる。 | |
| 栞 | 「あ、適当に降ろしてください」 |
| 正 人 | 「送るよ」 |
| 栞 | 「買物があるので……」 |
| 正 人 | 「何?」 |
| 栞 | 「洗濯機」 |
| 正 人 | 「付き合うよ、安いとこ知ってるから」 |
| 栞 | 「(遠慮して)でも……」 |
| 「先生、ミッキーマウスの歌!」 | |
| と、口々に騒ぐ園児たち。 | |
| 正 人 | 「判った判った」 |
| と、カセットをセットする。 | |
| 流れ出す音楽----ミッキーマウスの歌。 | |
| 園児たち、大声で歌い始める。 | |
| 正人も歌う。 | |
| 栞、そんな正人を微笑ましく見ている。 | |
| □ 平河商事・機械一部フロア | |
| ----終業時間近く。 | |
| 萌子、仕事をしている。 | |
| 電話が鳴る。 | |
| 早 紀 | 「(出て)もしもし(顔を輝かせ)柴崎さん!?」 |
| 萌子、!? 手が停まる。 | |
| 早 紀 | 「え? はい……(と、怪訝な顔になり)七海先輩、石油開発課の柴崎さんから……」 |
| 萌子、!? 電話に出る。 | |
| 萌 子 | 「(早紀を意識し、事務的に)はい、七海です」 |
| 天の声 | 「今夜時間を作ってほしい」 |
| 萌 子 | 「申し訳ありません、ちょっと都合がつかないんですが」 |
| 天の声 | 「何時でもいい」 |
| 萌 子 | 「その件はちょっと調査が必要ですので、後日改めて、ということに」 |
| 天の声 | 「今日が最後だから」 |
| 萌 子 | 「え?」 |
| 天の声 | 「いつもの店で待ってる。来るまで待ってる」 |
| 萌 子 | 「……」 |
| □ 悠作のマンション・近くの公衆電話(夜) | |
| 津波が電話している。 | |
| 呼び出し音、途切れて---- | |
| 電話の声 | 「もしもし」 |
| 津 波 | 「やっとつかまった」 |
| 悠作の声 | 「(判らず)……誰?」 |
| 津 波 | 「津波。(硬い表情で)話があるの。近くにいるから出てきて」 |
| 悠作の声 | 「弱ったなあ」 |
| 津 波 | 「……誰かいるの?」 |
| 悠作の声 | 「料理作ってて手が離せないんだ。近くだったら上がってきてよ。じゃ……」 |
| 津 波 | 「あ……」 |
| 電話、切れている。 | |
| 津波、ムッ。 | |
| □ ――C・M―― | |
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