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●喰いタン・スペシャル 香港全部食べちゃうぞ編(1)

□ 横浜の街
□ ホームズ・エージェンシー・全景
□ 同・社内
涼介と京子が涙ぐんでいる。
二人の前では、中年男と年老いた女性がヒシと抱き合っている。
中年男「お母さん、会いたかった!」
母親はただ泣くばかり。
中年男「(涼介たちに向き直り)ホームズ・エージェンシーのみなさん、本当にありがとうございました」
母 親「お蔭様で、四十年ぶりに……(涙で絶句してしまう)」
京 子「よかったですね……」
涼介、喋ろうとするが、感激で言葉にならない。
中年男「これ、受け取って下さい」
と、分厚い封筒を差し出す。
受け取った涼介、ビックリ。
涼 介「こ、こんなにいりませんよ、最初にお願いした額で……」
中年男「お願いです、受け取って下さい」
涼 介「でも……」
京子を見ると、泣きながらも「受け取れ!」と目で合図。
     ×     ×
中年男と母親、帰っていく。
入れ違いに、金田一少年がみゆきを抱いてやってくる。
――みゆきの首輪には“小判”がぶら下がっている。
涼 介「(一転ニコニコ顔で)よぉ、金田一」
金田一少年「今のお客さんですか? 珍しいですね」
涼 介「うるさいよ。最近好調なんだよ、ホームズ・エージェンシー」
京 子「(ムッと)どこが。(封筒の中身を覗きながら)これでやっと溜まってた支払いが出来るのよ」
涼 介「(小さくなって)……はい」
金田一少年「じゃ、夏休みどころじゃないですね」
涼 介「小学生じゃないんだからさ……」
京 子「(遮って)売り上げさえよければいくらでも休めるんだけど」
涼 介「……」
金田一少年「僕、香港に行ってきます」
涼介、京子、ビックリ。
金田一少年「父が向こうに駐在してるんです」
京 子「!(涼介に)どうする?」
涼 介「どうするって?」
京 子「一くんに頼む?」
金田一少年「なんの話ですか?」
涼介、一枚のカードを金田一少年に渡す。
金田一少年「なんですか?」
怪訝に受け取って見る。
カードにはメッセージが書かれている。
“キャサリンを香港に持ってきて下さい。  オーナーより”
金田一少年「(読んで)僕がキャサリンを持って行くんですか?」
――和室に置かれたキャサリン(チェロ)」。
涼 介「二人で行ちゃおうよ、京子ちゃん。オーナー見てみたいじゃない」
京 子「お金がありません」
涼 介「飛行機代、オーナーが出してくれるんじゃない?」
京 子「出してくれなかったら?」
涼 介「大丈夫だって。行っちゃおう!」
京 子「ダメ!」
と、押し問答。
呆れ顔の金田一少年、カードを裏返して見る。
そのカードは、絵葉書。
香港、ビクトリア・ハーバーの写真が――
□ 香港・ビクトリア・ハーバー
――の実景になって。
□ 尖沙咀(チムシャッツォイ)
――ビクトリア・ハーバーに面したアベニュー・オブ・スターズ。
数十人の老若男女が太極拳をしている。
□ 同・近くの街なか
喧騒。
けたたましくクラクションを鳴らし、行き交う車の流れ。
道路に大きく迫り出した広告看板の数々。
溢れる漢字のネオンサイン。
ひしめくように軒を並べる飲食店。
その中を、青色灯を回転させて、車体に赤と青のラインの入ったパトカーが走り抜けていく。
□ アベニュー・オブ・スターズ
パトカーが到着。
降り立ったのは、香港人の若い女刑事と中年刑事である。まるで、桃と五十嵐刑事のような。
二人、太極拳をする人たちの間を歩いていく。
ある男が、太極拳をしている。
おしゃれな中華服。柔軟な身のこなし。美しく伸びる四肢。
それは――聖也である。
女刑事(香港桃)と中年刑事(香港五十嵐)、聖也を見つけて近づく。
香港桃「(広東語、以下“広”で)喰いタン、事件だ。一緒に来てくれ」
聖也、聞こえているのかいないのか、ゆっくりと動き続ける。
香港五十嵐「(広)食べてほしいものがある」
聖也、ゆっくりと動き続ける。
香港桃「(広)場所は鯉魚門だ」
聖也、ピクリ。
聖 也「(広)鯉魚門?」
香港五十嵐「(広)そうだ、鯉魚門だ」
聖 也「(ムムッ)……」
香港桃「(広)蟹を食べさせてやる」
聖 也「……」
香港桃「(広)海老も付ける」
聖 也「……」
香港桃「(広)シャコも付けよう!」
聖 也「(笑顔になり、広)行きましょう!」
□ 日本・横浜・山手埠頭
警察の現場検証が行われている。
パトカーが到着。
降り立ったのは、桃と五十嵐刑事である。
ビニールシートが被せられた死体。
五十嵐刑事、シートを捲る。
スーツ姿の中年男。その胸にナイフが突き立っている。
五十嵐刑事「(顔を顰めて)……」
桃は厳しい表情で死体を見据える。
死体、何かを握りしめている。
それは、豚のヘッドがついたストラップである。
「……?」
五十嵐刑事の声「被害者は早瀬久志。37歳……」
□ 横浜みなと署・全景
五十嵐刑事の声「(続いて)職業はジャーナリストです」
□ 同・署長室
山内署長、捜査報告書を見ている。
――現場写真の中に、ストラップが写っている写真もある。
山内署長の前に、桃と五十嵐刑事が立っている。
山内署長「ジャーナリスト……取材絡みか?」
五十嵐刑事「被害者が普段持ち歩いている鞄がなくなっていること、また、被害者宅も荒らされており、その可能性は高いです」
山内署長「どんなネタを追いかけてたんだ」
「まだ判っていません」
山内署長「で、胃の内容物は……(と報告書を捲る)」
五十嵐刑事「喰いタンの出番、ですよね」
「五十嵐ぃ! いない人間のことを言ってどうする」
五十嵐刑事「……でもいてくれたら助かりますよね」
「警察は警察のやり方で犯人をあげるんだ」
山内署長「頑張って下さいよ、桃ちゃん」
「……」
□ 香港・鯉魚門
――香港有数の海鮮街。
活魚の入った水槽を店前に構えた料理店が軒を並べている。
パトカーを降りた聖也、香港桃、香港五十嵐がアーケードを歩いていく。
香港桃が話しているが、聖也は水槽の魚たちに目を奪われて聞いてない。
香港桃「(広)喰いタン、聞いてるか!?」
聖 也「(広)はい?」
香港桃「(広)お前は勝手に事件現場に入り込み、重要な証拠の料理を食べた。あの事件の容疑者があがったんだ」
聖 也「(広)それはよかったです」
香港桃「(広)料理を食べて犯人かどうか判断してくれ」
聖 也「(広)判りました」
通行人から「喰龍(クイタン)」と声が飛ぶ。
□ 料理店“南大門”・店内
聖也の前に、蟹、海老、シャコなどの豪華料理が並んでいる。
聖 也「(目を輝かせて)……」
いざ、食べようとすると、聖也の前に別の皿が置かれる。
乗っているのは、魚団子が一個だけ。
香港桃「(広)食え」
聖也、目は豪華料理。
香港桃「(広)終わってからだ」
聖 也「(広)判りました」
と、テーブルの上の箸立てから箸を取り、魚団子を食べる。
香港桃、香港五十嵐、二人に両腕を掴まれた容疑者、そして野次馬たちが見守る。
香港桃「(広)どうなんだ、喰いタン!」
聖 也「(広)はい、この人犯人です」
と、容疑者を指差す。
香港桃「(『五十嵐ィ!』と同じ口調で、広)周ゥ! 連行しろ!」
香港五十嵐「(広)はい!」
香港五十嵐、容疑者を連行していく。
香港桃「(広)喰いタン、協力ありがとう」
聖 也「(広)どういたしまして」
香港桃「(広)好きなだけ、食え!」
聖也、満面の笑みで――
聖 也「(日本語で)いただきます!」
シャキーン! とマイ箸を構え――食欲旺盛に食べ始める。
その顔で――
□ タイトル
「喰いタン・スペシャル 香港全部食べちゃうぞ編」
□ 成田国際空港・全景
□ 同・滑走路
駐機中のJAL機。
□ JAL機・機内
涼介、京子、金田一少年が乗り込んで来る。
涼介はいささか緊張している。
京 子「(はムッとなっていて)涼介くん、なんでビジネスにしたの?」
涼 介「だって……エコノミーかビジネスかって聞かれたから。オーナーに頼まれて高野さんにチェロ届けるのは仕事でしょ?」
京 子「そのビジネスじゃないでしょ!?」
と、自分の席を見つけて座る。
涼 介「……はい」
金田一少年「でも、快適じゃないですか、JALのビジネスクラスは。マイルも溜まるし」
涼 介「だよね! マイレージカード、作っちゃった」
と、マイレージカードを見せる。
京 子「涼介くん、もしかして海外初めて?」
涼 介「そ、そんなことないよ」
金田一少年「シートベルトして下さい」
涼 介「はい」
と、シートベルトを締める。
□ 離陸するJAL機
□ 同・機内
車輪が滑走路を離れ、機体が浮き上がる。
涼 介「うわッ、飛んだ」
緊張していた涼介、思わず拍手をしてしまう。
京子と金田一少年、白い目。
涼 介「え?」
京 子「涼介くん、飛行機に乗るのも初めてなんだ」
金田一少年、頷いている。
涼 介「……」
     ×     ×
――ミールサービスが始まっている。
涼 介「金田一、香港楽しみだな」
金田一少年「はい」
涼 介「パパと会うの、久しぶりなんだろ?」
金田一少年「父はともかく、海外に行けば見聞が広がりますから」
涼 介「俺も楽しみ。(京子に)一緒に旅行するの、初めてだよね」
京 子「え?」
京子、香港のガイドブックに夢中で聞いてなかった。
涼 介「(笑顔で)香港楽しもうね」
京 子「(ニコニコ)グルメにエステに買い物……ホテルも楽しみぃ」
そこへ、スチュワーデスがやってきて――
スチュワーデス「お客様、お飲み物はいかがでしょうか?」
涼 介「あ、烏龍茶下さい」
京 子「私、ビール」
涼 介「京子ちゃん、飛行機の中で飲むと酔いが早いよ」
スチュワーデス、それぞれ飲み物を渡す。
涼 介「じゃ、カードで」
と、マイレージカードを示す。
京子、金田一少年、ポカン。
涼 介「はい?」
□ 香港・九龍の街
二階建バスが走っていく。
□ 走る二階建バス・二階
涼介たちがキャサリンと一緒に乗っている。
道路に迫り出した無数の看板が、頭上すれすれに通過していく。
身を屈めて見上げる涼介たち。
看板の合間に見える超高層ビル群に驚いている。
涼 介「凄いな、倒れないのかよ」
金田一少年「香港の人口は七百万人。中心部の人口密度は一平方キロメートルに五万人だそうです。東京二三区の人口密度は一万三千五百人ですから四倍近いですよね。だから高層ビルが増えざるをえないんです」
京 子「地震が来たらドミノ倒しになりそう」
金田一少年「香港はニューヨーク同様地震のない場所ですからね」
涼 介「ね、高野さんは香港のどこにいるの?」
京 子「(絵葉書を見て)住所書いてないんだけど」
涼 介「じゃ、どうやって見つけるの?」
金田一少年「あのう、涼介くんたち探偵じゃないんですか?」
涼介・京子「……」
バス、巨大な看板の前を横切っていく。
涼介たちは気づかないが――
その看板――箸を構えた聖也の写真に「喰龍(喰いタン)」「香港ホームズ・エージェンシー(広東語))」の文字が描かれている。
□ ランガムプレイスホテル・表
――超高層の豪華ホテル。
やってきた涼介、ホテルを見上げ、そっくり返って倒れそうになる。
金田一少年、慌てて支える。
□ 同・客室廊下
涼介たち、キャサリンを運ぶ案内係に先導されてやってくる。
みんな、豪華さに驚いている。
□ 同・客室
入ってきた涼介たち、内装の豪華さと眺望の良さにビックリ。
案内係、室内を軽く説明して出て行く。
京 子「(目を輝かせて)すごーい」
と、調度品をチェック。そして、バスルームへ入っていく。
バスルームでもアメニティをチェック。
満足げに微笑む。
涼介、金田一少年をヘッドロックして窓際へ連れていく。
金田一少年「やめて下さい」
涼 介「(小声で)いいか、金田一。金田一はこっち、俺と京子ちゃんはあっち(と、部屋を見る)」
金田一少年「京子さんが嫌がりますよ」
涼 介「一つの部屋でいいって言ったのは京子ちゃんだぞ」
金田一少年「それはベッドルームが二つあるからでしょ?」
涼 介「女にはエクスキューズか必要なんだよ。お前、判ってないなあ」
金田一少年「(ボソッ)判ってないのは涼介くんだと思いますけど……」
涼 介「あ?」
そこへ、京子がバスルームから出てくる。
涼 介「京子ちゃん、疲れたね。ちょっと昼寝でも……」
京 子「高野さん探さないと」
涼 介「後でいいよ」
京 子「さっさと用事済ませて遊びましょう!」
涼 介「だね! でも、当ては?」
金田一少年「行きましょう!」
□ 同・Aroma Coffee Exchange(カフェテリア)・店内
金田一少年に先導されて涼介、京子が入って来る。
涼 介「おい、金田一、まだ腹減ってないぞ」
すると、開店準備をしていた女性シェフが、金田一少年を笑顔で抱きしめる。
涼介、京子、ビックリ。
女性シェフ「(英語で)よく来たね、一」
金田一少年「(英)元気ですか?」
女性シェフ「(英)もちろんよ。たくさん食べてって」
金田一少年「(英)はい、楽しみにしてます。今、人を探してるんです」
女性シェフ「(英)誰を?」
金田一少年、マイ箸を取り出し、シャキーン! のポーズ。
女性シェフ「(金田一少年が喋る前に、英)ああ、喰いタン」
金田一少年、ビックリ。
涼介、京子も顔を見合わせる。
□ あるオフィスビル・表
タクシーが到着。涼介たちが降り立つ。
涼 介「ここに香港ホームズ・エージェンシーがあるの?」
と、またビルを見上げて後ろに倒れそうになる。
金田一少年、慌てて支える。
京 子「落としていいよ」
と、中へ入っていく。
涼 介「ちょ、京子ちゃん!?(首をさすり)香港、首痛めるぞ」
と、追って入る。
呆れ顔の金田一少年。
□ 同・一階フロア
――エレベーターホール。
涼介、京子を追いかけて横に立ち、エレベーターのボタンを押そうとする。
が――
涼 介「ない! なんで!?」
金田一少年「(入ってきて)ここにあります」
と、離れた場所にあるエレベーターボタンを押す。
涼 介「……なんか、ややこしいな」
□ 同・高層階フロア
エレベーターのドアが開き、涼介たちが降りる。
そこに受付があり、ビルの側面はガラス張りである。
香港の眺望が望める。
涼介と涼介、子供のように景色を眺める。
金田一少年「涼介くん、京子さん、入りましょう」
“香港ホームズ・エージェンシー”のプレート。
□ 同・香港ホームズ・エージェンシー・社内
入ってきた涼介たち、またまたポカン。
かなり広い社内で、パーテーションで区切られている。
共有フロアのデスクには最新のパソコンや機材が揃っている。
金田一少年「……横浜のホームズ・エージェンシーとは大違いですね」
涼 介「……たしかに」
奥から香港青年・ラウが現れ――
ラ ウ「(広)こんにちは」
京 子「こんにちは」
ラ ウ「(広)うわ、可愛い」
涼介、!?
金田一少年「(広)あの、高野さん、いますか?」
涼 介「(ビックリ)金田一、中国語喋れるの?」
首を傾げるラウ。
金田一少年「(広)高野さん、喰いタン」
シャキーン、の仕草をやってみせる。
ラ ウ「(広)ああ、ボス。今出かけてるけど……(チェロを見て)キャサリン?」
金田一少年「イエス、キャサリン」
ラ ウ「(広)横浜ホームズ・エージェンシーのみなさんですか」
涼 介「俺たちのこと、判ったみたいだね」
京子、頷く。
そこへ、奥からケリーとチャン少年が出てくる。
涼 介「(思わず)うわ、可愛い!」
京 子「(ムッと、涼介の耳を引っ張り)涼介くん」
ケリー、京子に見とれているラウの耳を引っ張り、
ケリー「(広)ラウくん」
金田一少年、三人を見て、ビックリしている。
金田一少年「パラレルワールドだ」
京 子「何、それ」
金田一少年「(自分たち三人と見比べ)なんか、似てませんか?」
涼 介「人物構成だけだろ?」
金田一少年「もちろん、あっちがイケメンですけど」
涼 介「違うだろ」
チャン少年「(片言の日本語で)日本人?」
京 子「そ、そう。高野さんに会いに来たんだけど……」
チャン少年「もうすぐ帰って来るよ」
すると、聖也が入って来る。
寿司屋の出前も一緒だ。
涼介たち、!
聖 也「(涼介たちには気づかず店員に、広)ああ、そこに置いて下さい。ラウくん、ケリーちゃん、チャンくんも遠慮しないで食べて食べて」
と、ラウたちに寿司を勧め、自分もパクリ。
聖 也「(広)美味しーい!」
涼 介「(ポカンと京子に)同じようなことなかった?」
京 子「……あった」
金田一少年「(笑顔で)高野さん!」
聖也、三人に気づいて笑顔になる。
聖 也「やあ、一くん……京子ちゃん……えーっと、誰でしたっけ?」
涼 介「ふ、ふざけるの、やめてくれる!?」
聖 也「(ニコニコ。涼介の肩を叩いて)その言い方! 全然進歩してませんね、涼介くん」
涼 介「――」
聖 也「で、何しに来たんですか?」
涼 介「(ガクッ)キャサリン届けに来たんじゃないですか」
聖 也「おー、キャサリン。久しぶり!(と、頬ずり)でも私頼んでないですよ」
京 子「オーナーから頼まれたんです」
聖 也「あれ? オーナーは?」
ケリー「(片言の日本語で)今お帰りになりました」
涼 介「オーナーってホントにいるんだ」
聖 也「(涼介たちに。広)ご飯食べましたか?」
涼 介「はい?」
聖 也「広東語で『ご飯食べましたか?』それが香港の挨拶なんです。はい、言ってみて下さい。(広)ご飯食べましたか?」
涼介・京子・金田一少年「(広)ご飯食べましたか?」
聖 也「(ニコッ)お寿司、みんなで食べましょう」
涼 介「何も香港に来て寿司食べなくても……」
聖 也「今香港では和食が流行ってるんですよ」
涼 介「へえ……」
聖 也「(手を合わせて)いただきます」
ラウ・ケリー・チャン少年「イタダキマス」
聖 也「香港には『いただいます』を言う習慣はなかったんですけどね」
と、美味しそうに食べる。
チャン少年「高野さん、ちゃんと紹介してよ」
聖 也「ああ。(広)横浜ホームズ・エージェンシーの、涼介くんと京子ちゃん。それに一くん。(日本語で)ラウくんに、ケリーちゃん。それに、チャンくん」
それぞれ握手をしようとした時、ドアが開く。
入ってきたのは、桃と五十嵐刑事である。
金田一少年「(ビックリ)え……」
京 子「(ビックリ)ウソ……」
涼 介「(もビックリ)桃ちゃん……」
「(無視して)喰いタン、頼みがある」
五十嵐刑事はみんながいたことに驚いている。
聖 也「(寿司を頬張りながら)はい?」
涼 介「ちょ、ちょっと、香港で偶然会ったんですよ!? もっと驚きましょうよ! だって、ほら、凄いじゃないですか、香港で全員集合したんですよ」
桃、無反応。
涼 介「――。ね、五十嵐さん!」
五十嵐刑事「ホントですよ、桃ちゃん。(涼介たちに)みんな、元気だった?」
「(表情を変えずに、広)五十嵐ぃ!」
聖 也「桃ちゃん、久しぶり」
□ ――C・M――

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(2)へ続く

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