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●レッツ・ゴー!永田町 最終回 (1)

□ 前回までの粗筋
健太と鈴子、声を合わせて――
「ついに最終回です!」
鈴 子「先週、公共事業の官製談合が行われるという情報を掴んだ私たちは........」
健太、“官製談合”と書かれたフリップを見せて――
健 太「役人や政治家がズルして特定の企業に工事を発注することです」
    ×      ×
――健太と鈴子、下野課長と岸本をそれぞれ尾行。
――カラオケスナックでの書類ケースのすり替えを写真に収める。
鈴子の声「見事なチームワークで決定的な場面を写真に収め........」
――稲山事務所に茶封筒が差し入れられる。
――その中身の資料を見て愕然となる五輪。
鈴子の声「私の青い鳥から天下りOBと現役官僚の癒着を示す内部資料がもたらされ........」
――ドア外に立つ園田。
    ×      ×
健 太「(鈴子に)何が青い鳥だよ。園田さん、結婚してるんだろ!?」
鈴 子「(ため息で)ああ、私の青い鳥はどこ?」
健 太「五輪先輩はその資料を政務官と話し合って主民党の早乙女議員に渡し、公にしたんです」
    ×      ×
――国土交通委員会。
早乙女がその資料を高く掲げる。
早乙女「ここに、国土交通省、いや、旧建設省の極秘資料があります。民間へ天下った役員名と、その企業にどれだけの工事を発注したのか、はっきりと書いてあります。これを癒着と言わずになんと言うんでしょう!」
委員会、騒然となる。
    ×      ×
健 太「なんだか大変なことになりそう」
鈴 子「ていうか、私の青い鳥は?」
健 太「だから俺だろ? 多分」
鈴 子「(ため息で)合コン頑張ろ、っと」
健 太「バーカ」
□ タイトル
□ 民自党本部・野本派事務所・野本の部屋
五輪たち、野本と対峙している。
早瀬、控えている。
野 本「(稲山を見据えて)稲山、お前が主民党の早乙女議員に資料を渡したんだな」
稲 山「(たじろぎそうだが、見返し)........」
五 輪「それは私が........」
野 本「(遮って)私は稲山一郎に聞いてるんだ!」
五 輪「........」
健 太「........」
稲 山「........仰言る通りです」
野 本「――。世の中のルールが判ってないようだな」
稲 山「(一瞬躊躇うが、キッパリと)野本先生が仰言ってるのは、永田町と霞ヶ関のルールです」
野本、ギロッ。
早 瀬「稲山!」
稲 山「野本先生に大臣政務官にしていただいたこと、心から感謝しています。和泉総理がやろうとしている道路行政が100%正しいとは思いません。本当に国民のためになる道路行政を、これからも勉強し、考えていきます」
と、深々と頭を下げる。
五輪、健太も頭を下げる。
野 本「........」
□ 国土交通省・全景
□ 同・ある一室(倉庫部屋)
園田が椅子に座らされている。
その回りを、上野課長と下野課長が歩き回っている。
上野課長「三流政治家の口車に乗りやがって!」
園 田「........」
上野課長「持ち出した資料はお前が捏造したんだよな」
園田、!?
上野課長「次の委員会でそう証言するんだ」
園 田「........出来ません」
下野課長「(懇願)お願いだ、そうしてくれ!」
上野課長、園田の内ポケットから財布を取る。
園田、!
上野課長、財布の中から、写真を取り出す。
――可愛い女の子が映っている。
上野課長「二つか........可愛い盛りだな」
園 田「――」
下野課長「うちにも来年中学受験の子供がいるんだ。頼む!」
と、泣いて頭を下げる。
園 田「(動揺して)........」
□ 国会・国土交通委員会
答弁側に、田坂真以子、鈴本眠男、有賀、そして稲山も座っている。園田、稲山の後ろに控えている。
野党席には、早乙女たち。
五輪、目立たないところに立って見守っている。
上野課長が答弁席へやってきて――
上野課長「えー、早乙女議員からご提出いただきました資料を検討させていただいたのですが、書類の書式と違っておりまして、国土交通省のものではありません」
早乙女「俺が捏造したとでも言うのか!?」
上野課長「どちらから手に入れられたんでしょうか?」
五 輪「(呟く)なんであんなに強気なんだ?」
五輪、園田を見る。
園田、蒼褪めている。
早乙女「情報源を明かす必要はない! 新聞社他マスコミの後追い取材でも旧建設省OBと道路局の癒着は明らかじゃないか!」
上野課長「公務員の守秘義務違反にあたる重大な事柄ですのでお答え下さい」
早乙女「問題をすり替えるな!」
上野課長「ご提出いただいた資料が偽造されたものだと証言する人間がおります。園田秘書官」
五輪、稲山、!
会場がざわつき、田坂真以子たちも園田に注目する。
蒼褪めた園田、マイクの前へ――
五 輪「(も、蒼褪めて)........手を回されたか」
稲 山「(見守って)........」
園 田「........その資料は、私が........」
みんな、固唾を飲んで見守る。
上野課長、ニヤッ。
園 田「(続けて)道路局から持ち出したものです。本物に間違いございません」
会場がどよめく。
五輪、稲山たち、ア然。
上野課長「――。貴様!」
早乙女「(間髪入れず)脅しか!?」
上野課長「彼はウソをついてます!」
田坂真以子「あんたが用意した証人でしょ!?」
上野課長「――」
田坂真以子「(資料を振りかざし)ウソならウソでいいわよ。だったら本物出しなさいよ。何人天下りしてて、その会社にいくら落としてンのよ!」
上野課長、ブ然。
五輪と稲山、園田を窺っている。
園田、押し黙っている。
□ 議員宿舎・全景
――夜。
□ 同・稲山の家・中
五輪、稲山、健太、鈴子、園田。
健 太「俺、感動しちゃいました。園田さんの態度」
鈴 子「(も感激の体で)ホント! 凄いですゥ」
園 田「........いえ」
五 輪「しかし、公務員の守秘義務違反は間違いないですからね」
稲 山「園田くんはもっと大事なものを守ったんだ」
五 輪「仰言る通り!」
稲 山「(園田に)居づらかったら、国土交通省やめてうちの事務所に来たらどうだい?」
園 田「ありがとうございます。でも、辞めさせられるまで居続けます。外からだけでなく、中からも変えようとしなければ何も変わりません」
稲 山「(励ますように頷く)........」
鈴 子「素敵!」
と、拍手する。
健 太「鈴子、園田さん妻帯者」
鈴 子「(ムッと)判ってるわよ」
そこへ、静恵が帰ってくる。
稲 山「お帰り」
静 恵「あら、いらっしゃい。小籠包お土産に買ってきたわ。みんなで食べましょ」
鈴 子「素敵!」
と、さっきより大きく拍手。
健 太「色気より食い気」
鈴 子「(ムッと)いちいちウルサイな」
五 輪「(呆れて)仲いいな、お前ら」
健 太「やめてくださいよ」
鈴 子「(静恵に)あの、ワン先生、なんて仰言ってました?」
静 恵「(稲山に)今回のことは、自分の信念を貫けば道は拓けてくる、って........」
稲 山「(笑顔で)そうか」
五輪たちも笑顔になる。
静 恵「それから、『青い鳥はコウノトリ』って」
鈴 子「(キョトンと)って、どういう意味?」
五 輪「やっぱり健太が青い鳥で、コウノトリってことは........」
園 田「コウノトリって、赤ん坊を運んでくるんですよね?」
健 太「じゃ、俺が鈴子と出来て........」
鈴 子「私が妊娠!?(ブルブル首を振る)」
五 輪「新世紀のことでしょう」
健 太「奥さんじゃないんですか?」
稲 山「!? そうなの? 奥さん」
静 恵「(首を傾げ)全然」
稲 山「........そう(落胆)」
五輪、ハッとなり、稲山を引っ張って隣の部屋へ――
    ×      ×
稲 山「なんだ、五輪」
五 輪「(小声で)政務官、女性関係はどうなってるんですか?」
稲 山「――。疑うなよ」
五 輪「ワン先生の占いは一度も外れてないんですよ」
稲 山「判ってる」
五 輪「よく考えて下さい」
稲 山「(ハッとなり)判った! 高柳さんだよ、妊娠したの」
五 輪「――。まさか」
稲 山「五輪、聞けよ」
五 輪「き、聞けませんよ」
声  「何を聞きたいんですか?」
五輪と稲山、ギョッと振り返る。
高柳が立っていた。
五 輪
稲 山
「(ビビって)なんでもありません!」
高柳、?
    ×      ×
――食後。
稲山、五輪、園田、鈴子、真剣な表情で資料に目を通している。
高 柳「園田さんが持ち出した資料ですけど、リストにアルファベットが書き込まれた建設会社がありますよね?」
稲 山「(頷き)これは?」
園 田「担当部署じゃないので、なんとも........」
高 柳「ピンと来て、調べてみたんです。北海道のベニス建設に、“S”........(別の資料を取り出し)ベニス建設、民自党北海道支部に300万円」
健 太「なんですか、そっち(別の資料)は」
高 柳「去年の政治献金の資料。違法なものじゃないけど........」
稲 山「(気づき)北海道支部は実質鈴本議員の政治団体だ」
鈴 子「じゃあ、この“S”は鈴本議員の“S”!?」
高 柳「福岡パルマ建設、“A”.......愛知ナポリ組、“N”........野本派の先生たちのイニシャルにピッタリ符合」
みんな、!
鈴 子「って、どういうこと?」
園 田「........企業と官僚だけじゃない、政治家も癒着して甘い汁を吸っている」
稲 山「高柳さん、よく気が付いたな」
五 輪「........このことだったんだ」
みんな、五輪を怪訝に見る。
五 輪「あの日、早瀬さんに言われたんです」
□ フラッシュ
――国会・廊下。
早瀬、珍しく昂奮し、五輪の胸倉を掴む。
五 輪「(いつもと違う早瀬に)!?」
早 瀬「お前は、“パンドラの箱”に手を掛けたんだぞ!」
□ 元の稲山の家・中
鈴 子「“パンドラの箱”?」
園 田「ギリシャ神話の一つです。人類最初の女性が神から授かった箱を、開けてはいけないと言われていたにも関わらず、開けてしまった。すると中に入っていた恐怖や怒りや悲しみ........ありとあらゆる災いが飛び出していった........」
稲 山「(唸って)........この問題は政界に波及するってことか........」
五 輪「........」
みんな「........」
□ 官邸・全景
□ 同・総理執務室
和泉総理と手塚。
和泉総理「どうしよう、手塚さん」
手 塚「ミラノ建設に強制捜査をかけるべきです」
和泉総理「それで?」
手 塚「建設業界と野本派議員の繋がりを徹底的に炙り出すんです。道路公団の廃止民営化、こちらの思惑通りに進められるかもしれません」
和泉総理「(ニッと)法務大臣を呼んでくれ」
手 塚「(ドア外に)入って下さい」
ドアが開き、法務大臣が入ってくる。
和泉総理「!? 早いな」
手 塚「はい」
和泉総理「ミラノ建設への捜査はどうなってるんでしょう?」
手塚、そんな和泉総理を見て、満足そうに頷く。
□ ミラノ建設・表(翌日)
朋子がカメラに向かってレポートしている。
朋 子「先ほどミラノ建設に東京地検特捜部が家宅捜査に入りました!」
□ 国土交通省・大臣政務官室
高柳、デスクに向かって仕事をしている。
そこへ、田坂真以子がセカセカとやってくる。
高 柳「(驚いて)田坂大臣........」
田坂真以子「政務官は!?」
高 柳「道路局の方に行ってますが」
田坂真以子「これ、政務官じゃないでしょうね!」
と、書類を突き出す。
高 柳「なんですか?」
田坂真以子「ミラノ建設から押収された献金リストよ」
高 柳「(驚き)政治家へのですか!?」
田坂真以子「そうよ!(リストを指差し)“I”に1000万って書いてあるでしょ」
高 柳「この“I”が政務官だって言うんですか!?」
田坂真以子「違うの!?」
高 柳「........」
□ 国会・近くの道
五輪、目を皿のようにして献金リストを見ている。
柴 田「Aが有賀、Sが鈴本、Nは野本だろうって俺たちは見てるんだけどね」
五 輪「うちはミラノ建設とはまったく面識ないもん」
柴 田「だったらいいけど........これ、大問題になるよ。逮捕者も出るかもしれない」
五 輪「献金イコール賄賂ってわけじゃないだろ?」
柴 田「そうだけどさ、時期が時期だけにヤバいでしょ」
五 輪「........確かにヤバい」
□ 野本邸・リビング
野本もそのリストを見ている。
野 本「(ブ然と)........」
早瀬、控えている。
□ 議員会館・稲山事務所
五輪、急いで帰ってくる。
テレビでは既に献金リストのニュースが流れている。
五 輪「鈴子、健太、ミラノ建設から何も受け取ってないよな」
鈴 子「私も気になって調べたんですけど、ありませんでした」
五 輪「そうか」
電話が鳴る。
五 輪「(出て)はい、五輪です」
□ 国土交通省・大臣政務官室
稲山が電話を掛けている。
傍に高柳がいる。
稲 山「五輪、うちはミラノ建設から金もらってないよな?」
□ 議員会館・稲山事務所
五 輪「(キッパリ)ありません。政務官はお気になさらずに職務に専念なさって下さい」
□ 国土交通省・大臣政務官室
稲 山「判った」
ホッとなって電話を切る。
高柳もホッとなっている。
稲山の携帯が鳴る。
画面表示――朋子である。
稲 山「(ドキッとなるが、出て)稲山です。“I”は私じゃないぞ!」
□ 国会・廊下(例えば)
朋子が電話している。
朋 子「はい?」
□ 国土交通省・大臣政務官室
稲 山「あ........いや、何でもない」
――以下、カットバック(あるいは画面分割)で。
朋 子「今夜、お時間ありませんか?」
稲 山「え?」
朋 子「お話したいことがあるんです」
稲 山「(すぐに期待する)どういうこと?」
高柳、その様子を見ている。
稲山、高柳に背中を向ける。
朋 子「(羞じらって)電話じゃちょっと........」
稲 山「(ムムッ)しかし、キミも忙しいんじゃないの?」
朋 子「お酒を飲まないととてもお話出来そうもないので、夜遅く........」
稲 山「――」
妄想モード。
□ フラッシュ
朋子に唇を奪われる稲山。
□ 元の大臣政務官室
高柳、稲山の顔を覗き込む。
稲 山「!?(我に返って)判った、じゃ、都合がついたら電話を下さい」
と、電話を切る。
高 柳「(窺って)........」
稲 山「(突っ慳貪に)高柳さん、第二東名の資料、持ってきて」
高 柳「はい(と、出てゆく)」
稲山、ホッとなって再び妄想モードへ――
□ 議員会館・稲山事務所
ミラノ建設のパンフレットを見ていた鈴子が――
鈴 子「ローマエステート?」
五 輪「どうした、鈴子」
鈴 子「ローマエステートって、なんか見たような気がするんですけど........」
健 太「ミラノ建設の子会社?」
鈴子、隣の部屋に行き、山となっている胡蝶蘭を確かめる。
五輪と健太、ドキッとなる。
鈴 子「あった!」
“贈・ローマエステート”の札がついた胡蝶蘭がある。
健 太「花、もらってたんだ」
五 輪「――」
鈴 子「........胡蝶蘭もらっても、賄賂になるんですか?」
健 太「なるわけないだろ? だいたいリストには1000万、って........」
五輪、胡蝶蘭を鉢から引っこ抜く。
鈴 子「(驚き)何するんですか?」
しかし、それ以上に驚くことに。
五輪が鉢の土の中から、ビニールに包まれた札束を発見する。
健太、鈴子、!
五 輪「(呆然)“I”のもらった1000万」
健 太「俺、返してきます!」
鈴 子「今更返しても........」
健 太「受け取るわけにはいかないだろ!?」
鈴 子「捨てちゃえば?」
健 太「どこに」
鈴 子「どっか。でも、もったいないね」
五 輪「(考えて)........」
その時、ドアにノックがあり、結城が顔を出す。
五輪たち、大慌て。
五 輪「(小声で健太に)金庫にしまっとけ」
と、札束を渡す。
健太、頷く。
結 城「五輪ちゃん、ちょっといい?」
五 輪「あ、うん」
と、出てゆく。
健太、札束を金庫に入れ、鍵を閉める。
健 太「........」
鈴 子「........」
二人、緊張して――
□ ――C・M――

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(2)へ続く

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