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| □ 前回までの荒筋 | |
| *浩介、里奈とベッドイン。 | |
| *悩む浩介。 | |
| *加代子に告白するなと言う里奈と二三夫。 | |
| *雨の中の真田先生と結城先生。 | |
| *加代子に告白してしまう浩介。 | |
| *ショックで酔っぱらう加代子。 | |
| *目覚めた加代子、愕然となる。 | |
| ――裸で、真田先生のベッドの中にいる。 | |
| □ 樋口家・LDK | |
| ――朝食の席。 | |
| 浩介、ため息ばかり。 | |
| 電話が鳴る。 | |
| タカ子 | 「(出て)もしもし、樋口ですが........ああ、ちょっと待ってネ。浩介」 |
| と、受話器を差し出す。 | |
| 浩 介 | 「........誰」 |
| タカ子 | 「木下さん」 |
| 浩介、ドキッ。おそるおそる受話器を受け取って、 | |
| 浩 介 | 「........もしもし」 |
| 電話の声 | 「お姉ちゃん出して」 |
| 浩 介 | 「(相手が判って、ホッと)お前か」 |
| 葉月の声 | 「いるんでしょ?」 |
| 浩 介 | 「え?」 |
| 葉月の声 | 「昨夜そっちに泊まったんじゃないの? お姉ちゃん」 |
| 浩 介 | 「(怪訝に)........」 |
| □ 電話BOX | |
| 加代子が扉に凭れて待っている。 | |
| ランドセルを背負った葉月が、加代子の鞄と紙袋を持ってやってくる。 | |
| 加代子、ホッと見迎える。 | |
| 加代子 | 「よかった、葉月が電話に出てくれて」 |
| 葉 月 | 「(ブンむくれて)親ゴマ化すのに大変だったんだから」 |
| 加代子 | 「(元気を出そうと)得意でしょ」 |
| 葉月、ムッ。 | |
| 加代子 | 「(紙袋を確かめ)ネクタイもある?」 |
| 葉 月 | 「(顔をしかめて)お酒臭い!」 |
| 加代子、自分の体の匂いを嗅ぐ。 | |
| 葉 月 | 「信じらンない! お酒飲んで、朝帰り! 不良娘! そんなお姉ちゃん持った覚えありませんからね!」 |
| 加代子、ため息をついて―― | |
| □ タイトル | |
| □ 紅陽学園高等学校・二年E組の教室 | |
| ――岩石先生の授業中。 | |
| 扉が開き、加代子が入ってくる。 | |
| 浩介、ドキッと見るが、目をそらす。 | |
| 加代子、チラと浩介を見て、自分の席へ―― | |
| ちあき、加代子を見ている。 | |
| 岩石先生 | 「木下........お前が遅刻とは珍しいな」 |
| 加代子 | 「........すいません」 |
| ケンジ | 「あれえ? なんか酒臭いぞ」 |
| 加代子、小さくなる。 | |
| 岩石先生 | 「(頭を掻いて)すまん、昨夜ちょっと飲み過ぎて........」 |
| ちあき | 「酒気帯び授業はやめてくださーい(と、ゴマ化してやる)」 |
| みんな、ワイワイ。 | |
| 岩石先生 | 「スマンスマン」 |
| と、授業を再開する。 | |
| ちあきが加代子の背中をつつき、メモを渡す。 | |
| “真田先生、送り狼にならなかった?” | |
| 加代子、ドキッとちあきを見る。 | |
| ちあき、ニコッ。 | |
| 加代子 | 「........冗談」 |
| 笑顔がひきつっている。 | |
| 浩介が加代子を気にしている。 | |
| □ 同・職員室・前の廊下 | |
| 加代子、やってくる。 | |
| 職員室の扉をノックしようとして、逡巡する。 | |
| と――真田先生が廊下をやってくる。 | |
| 加代子、ドキッ。顔を見られずに、会釈する。 | |
| 真田先生 | 「(軽い口調で)眠れたか? 酔っぱらい」 |
| 加代子 | 「――」 |
| 鍵を渡す。 | |
| 真田先生 | 「サンキュー」 |
| 加代子、思い切って訊ねようとした時―― | |
| 岩石先生がやってくる。 | |
| 岩石先生 | 「真田先生、内密でお願いしたいことがあるんですが」 |
| 真田先生 | 「はあ........」 |
| 岩石先生、真田先生にヒソヒソ話。 | |
| 無視された加代子、所在なく離れてゆく。 | |
| 廊下の角を曲がった加代子、ビックリ立ち止まる。ちあきたち三人が立っていたのだ。 | |
| □ 甘味喫茶“あんみつ姫”・店内 | |
| 「えーッ、ウソーッ!」 | |
| 驚くちあきたち。 | |
| 加代子 | 「........頭の中で“ペーパー・ムーン”がグルグル回って........そのうち火事になって........警報器がなって........止めたらそれが目覚まし時計で........」 |
| ひろみ | 「目が覚めたら真田先生の腕の中、ってわけ?」 |
| 加代子 | 「ベッドの中。真田先生はいなかった」 |
| みどり | 「でも、裸だったんでしょ?」 |
| 加代子 | 「........(頷く)」 |
| 「なあに、裸って........」 | |
| 涼子が横から口出ししてくる。 | |
| ちあき | 「(一喝)ウルサイわね、人の話に首突っ込まないで!」 |
| 涼子、首をすくめて引っ込む。 | |
| みどり | 「それで........その........あれは?」 |
| ひろみ | 「SEXのこと?」 |
| みどり、ひろみをつつく。 | |
| 加代子 | 「........多分なかったと思う」 |
| ちあき | 「........」 |
| ひろみ | 「真田先生も男よ。何もしないわけないじゃない」 |
| みどり | 「裸で寝てたわけだし........」 |
| 加代子 | 「(不安に)........」 |
| ひろみ | 「何もされなかったほうが悲劇よ。全然魅力がないってことだもん」 |
| ちあき | 「面白がらないで」 |
| みどり | 「でも、どうして酔っぱらったの?」 |
| 加代子 | 「........」 |
| ひろみ | 「好奇心だけでお酒飲む年齢じゃないしね」 |
| みどり | 「真田先生とそうなりたくてじゃないの?」 |
| 加代子 | 「(首を振る)」 |
| ちあき | 「(庇って)飲まされちゃったのよ、川内のお兄さんに」 |
| みどり | 「川内くんの........?」 |
| □ ビデオショップ“トップ・テン”・店内 | |
| 一夫、ボンヤリとモニターを見ている。 | |
| ちあき | 「お兄さんもつらいことがあったみたい」 |
| □ モニター画面 | |
| 洋画――雨の中のラブシーン。 | |
| それが突然、真田先生と結城先生の雨の中の抱擁に変わる。 | |
| □ ビデオショップ“トップ・テン”・店内 | |
| ギョッと目を凝らす一夫。 | |
| モニター画面は、洋画である。 | |
| 一夫、ため息をつく。 | |
| □ 甘味喫茶“あんみつ姫”・店内 | |
| みどり | 「お兄さんも........って? ちあき、何か知ってるわけ?」 |
| ちあき | 「........」 |
| 加代子 | 「........」 |
| みどり | 「ズルいわ、二人でコソコソ。あたしたちに相談してくれたっていいでしょ。だいたい加代子は勝手よ。いつも自分ひとりで行動して!」 |
| ひろみ | 「(キョトンと)なに怒ってンの?」 |
| ちあき | 「みどり、真田先生が好きだったんだもんね」 |
| みどり | 「(カッと)そんなことじゃないでしょ!」 |
| 怒って席を立つ。 | |
| みどり | 「行こ、ひろみ」 |
| と、出てゆく。 | |
| ひろみ | 「ちょっと、みどりィ」 |
| 加代子とちあきを気にして追い掛けてゆく。 | |
| ため息の加代子とちあき。 | |
| ちあき | 「........お酒飲んだの、樋口のせいでしょ?」 |
| 加代子 | 「(ドキッとちあきを見る)........どうして」 |
| ちあき | 「自分で喋ったじゃない」 |
| 加代子 | 「あたしが?」 |
| ちあき | 「『浩介のバカヤロオ!』」 |
| 加代子 | 「........」 |
| ちあき | 「『どいつもこいつも里奈さんのどこがいいのよ!』」 |
| 加代子 | 「........」 |
| ちあき | 「『真田先生、知ってる? 浩介と里奈さんが........』」 |
| 加代子 | 「(赤面して)ストップ!」 |
| ちあき | 「しょうがないなあ、酔っぱらい」 |
| と言うが、加代子のことを本気で心配して。 | |
| 加代子 | 「........」 |
| □ 真田先生のアパート・中 | |
| 台所に立ち、料理を作っている岩石先生。 | |
| ――エプロン姿である。 | |
| 真田先生 | 「(困った顔で)気を遣わないでください」 |
| 岩石先生 | 「食事ぐらい作らせてください。長逗留になると思いますから........結構得意なんですよ」 |
| と、せっせと作る。 | |
| 真田先生、見えないところで嫌な顔をする。 | |
| 部屋の隅に、岩石先生の旅行鞄が二つ三つある。 | |
| □ 岩石先生のアパート・表 | |
| 吉本先生がチャイムを鳴らしている。 | |
| 返事がなく、首をかしげている。 | |
| □ 真田先生のアパート・中 | |
| 真田先生 | 「しかし、熱心ですねえ、吉本先生も。この際........」 |
| 岩石先生 | 「(遮って)冗談でもそういうこと言わないで下さい!」 |
| その時、チャイムが鳴る。 | |
| !? 顔を見合わせる二人。 | |
| 岩石先生 | 「........ひょっとして」 |
| 真田先生 | 「噂をすれば........?」 |
| 岩石先生、泣きそうな顔。 | |
| 真田先生、おそるおそる扉を開ける。 | |
| ひろみとみどりが立っている。 | |
| 真田先生 | 「なんだ、お前たちか........」 |
| ひろみとみどり、ア然となる。 | |
| 真田先生の後ろで、岩石先生が押し入れに隠れようとしている。 | |
| 真田先生 | 「岩石先生、違いますよ」 |
| 岩石先生 | 「え?」 |
| と、振り返る。 | |
| みどりがペコリと頭を下げる。 | |
| ひろみ、慌てた様子でみどりを引っ張って出てゆく。 | |
| 残された真田先生と岩石先生、ポカン。 | |
| 真田先生 | 「なんだ? あいつら」 |
| □ 同・表 | |
| ひろみ | 「なによォ」 |
| みどり | 「マズいわよ、あの二人........(と、耳打ちする)」 |
| ひろみ | 「(素ッ頓狂に)ホモ!?」 |
| みどり | 「おかしいでしょ、エプロンして、隠れようとして!」 |
| ひろみ | 「加代子、それがショックでお酒を........(と、納得)」 |
| みどり | 「........あたしも飲みたくなっちゃった」 |
| 二人、茫然と歩いてゆく。 | |
| □ 樋口家・浩介の部屋 | |
| 浩介、ベッドに寝転がってため息をついている。 | |
| 扉にノックがあり、タカ子が顔を出す。 | |
| タカ子 | 「お客さんよ」 |
| 浩 介 | 「........会いたくない」 |
| タカ子 | 「あら........上がってもらっちゃった。どうぞ」 |
| ドキッと起き上がる浩介。 | |
| 部屋に入ってきたのは、ちあきである。 | |
| 浩 介 | 「(意外で)ちあき........」 |
| タカ子 | 「(愛想笑いで)じゃ、ごゆっくり」 |
| ちあき | 「(笑顔で)すいません」 |
| タカ子が出てゆくと、ちあき、浩介に向き直って睨みつける。 | |
| 浩 介 | 「........なんの用だよ」 |
| ちあき | 「言っとくけど、加代子に頼まれたわけじゃないからね」 |
| 浩 介 | 「........」 |
| ちあき | 「どういうつもり!? 加代子がいるのに川内のお姉さんと」 |
| 浩 介 | 「(ビックリ)........あいつが喋ったのか」 |
| ちあき | 「苦しくてどうしようもなくて、それでお酒を飲んで........あんたに加代子を責める権利はないわ」 |
| 浩 介 | 「........」 |
| ちあき | 「川内だってそんなことしないよ」 |
| 浩介、キッとちあきを見る。 | |
| □ フラッシュ | |
| 女と一緒にラブホテルに入ってゆく二三夫。 | |
| □ 元の浩介の部屋 | |
| ちあき | 「(浩介の視線に)なによ」 |
| 浩 介 | 「(首を振る)........大きなお世話だ」 |
| ちあき | 「あんたってサイテー! 加代子が真田先生にいっちゃうのも判るわ」 |
| 浩 介 | 「――どういう意味だよ」 |
| ちあき | 「あんたが先に裏切ったんだからね」 |
| と、捨て台詞で出てゆく。 | |
| 浩 介 | 「........」 |
| 浩介、ちあきの言葉の意味を考えて―― | |
| □ 木下家・加代子の部屋 | |
| ベッドに寝転んでいる加代子。 | |
| 葉月が入って来る。 | |
| 葉 月 | 「昨夜、どこに泊まったの?」 |
| 加代子 | 「........」 |
| 葉 月 | 「浩介くんと一緒じゃなかったってことは........」 |
| 加代子 | 「(遮って)ウルサイ」 |
| 葉 月 | 「もう協力してあげないから。昨日のことだってママに話しちゃうからね!」 |
| 加代子 | 「勝手にしてよ。寝かせて........」 |
| 葉 月 | 「お姉ちゃん........」 |
| 加代子、落ち込んでいる。 | |
| □ ――C・M―― | |
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