NAVI

●な・ま・い・き盛り 最終回 (1)

                                       
□ 前回までの荒筋
*浩介、里奈とベッドイン。
*悩む浩介。
*加代子に告白するなと言う里奈と二三夫。
*雨の中の真田先生と結城先生。
*加代子に告白してしまう浩介。
*ショックで酔っぱらう加代子。
*目覚めた加代子、愕然となる。
――裸で、真田先生のベッドの中にいる。
□ 樋口家・LDK
――朝食の席。
浩介、ため息ばかり。
電話が鳴る。
タカ子「(出て)もしもし、樋口ですが........ああ、ちょっと待ってネ。浩介」
と、受話器を差し出す。
浩 介「........誰」
タカ子「木下さん」
浩介、ドキッ。おそるおそる受話器を受け取って、
浩 介「........もしもし」
電話の声「お姉ちゃん出して」
浩 介「(相手が判って、ホッと)お前か」
葉月の声「いるんでしょ?」
浩 介「え?」
葉月の声「昨夜そっちに泊まったんじゃないの? お姉ちゃん」
浩 介「(怪訝に)........」
□ 電話BOX
加代子が扉に凭れて待っている。
ランドセルを背負った葉月が、加代子の鞄と紙袋を持ってやってくる。
加代子、ホッと見迎える。
加代子「よかった、葉月が電話に出てくれて」
葉 月「(ブンむくれて)親ゴマ化すのに大変だったんだから」
加代子「(元気を出そうと)得意でしょ」
葉月、ムッ。
加代子「(紙袋を確かめ)ネクタイもある?」
葉 月「(顔をしかめて)お酒臭い!」
加代子、自分の体の匂いを嗅ぐ。
葉 月「信じらンない! お酒飲んで、朝帰り! 不良娘! そんなお姉ちゃん持った覚えありませんからね!」
加代子、ため息をついて――
□ タイトル
□ 紅陽学園高等学校・二年E組の教室
――岩石先生の授業中。
扉が開き、加代子が入ってくる。
浩介、ドキッと見るが、目をそらす。
加代子、チラと浩介を見て、自分の席へ――
ちあき、加代子を見ている。
岩石先生「木下........お前が遅刻とは珍しいな」
加代子「........すいません」
ケンジ「あれえ? なんか酒臭いぞ」
加代子、小さくなる。
岩石先生「(頭を掻いて)すまん、昨夜ちょっと飲み過ぎて........」
ちあき「酒気帯び授業はやめてくださーい(と、ゴマ化してやる)」
みんな、ワイワイ。
岩石先生「スマンスマン」
と、授業を再開する。
ちあきが加代子の背中をつつき、メモを渡す。
“真田先生、送り狼にならなかった?”
加代子、ドキッとちあきを見る。
ちあき、ニコッ。
加代子「........冗談」
笑顔がひきつっている。
浩介が加代子を気にしている。
□ 同・職員室・前の廊下
加代子、やってくる。
職員室の扉をノックしようとして、逡巡する。
と――真田先生が廊下をやってくる。
加代子、ドキッ。顔を見られずに、会釈する。
真田先生「(軽い口調で)眠れたか? 酔っぱらい」
加代子「――」
鍵を渡す。
真田先生「サンキュー」
加代子、思い切って訊ねようとした時――
岩石先生がやってくる。
岩石先生「真田先生、内密でお願いしたいことがあるんですが」
真田先生「はあ........」
岩石先生、真田先生にヒソヒソ話。
無視された加代子、所在なく離れてゆく。
廊下の角を曲がった加代子、ビックリ立ち止まる。ちあきたち三人が立っていたのだ。
□ 甘味喫茶“あんみつ姫”・店内
「えーッ、ウソーッ!」
驚くちあきたち。
加代子「........頭の中で“ペーパー・ムーン”がグルグル回って........そのうち火事になって........警報器がなって........止めたらそれが目覚まし時計で........」
ひろみ「目が覚めたら真田先生の腕の中、ってわけ?」
加代子「ベッドの中。真田先生はいなかった」
みどり「でも、裸だったんでしょ?」
加代子「........(頷く)」
「なあに、裸って........」
涼子が横から口出ししてくる。
ちあき「(一喝)ウルサイわね、人の話に首突っ込まないで!」
涼子、首をすくめて引っ込む。
みどり「それで........その........あれは?」
ひろみ「SEXのこと?」
みどり、ひろみをつつく。
加代子「........多分なかったと思う」
ちあき「........」
ひろみ「真田先生も男よ。何もしないわけないじゃない」
みどり「裸で寝てたわけだし........」
加代子「(不安に)........」
ひろみ「何もされなかったほうが悲劇よ。全然魅力がないってことだもん」
ちあき「面白がらないで」
みどり「でも、どうして酔っぱらったの?」
加代子「........」
ひろみ「好奇心だけでお酒飲む年齢じゃないしね」
みどり「真田先生とそうなりたくてじゃないの?」
加代子「(首を振る)」
ちあき「(庇って)飲まされちゃったのよ、川内のお兄さんに」
みどり「川内くんの........?」
□ ビデオショップ“トップ・テン”・店内
一夫、ボンヤリとモニターを見ている。
ちあき「お兄さんもつらいことがあったみたい」
□ モニター画面
洋画――雨の中のラブシーン。
それが突然、真田先生と結城先生の雨の中の抱擁に変わる。
□ ビデオショップ“トップ・テン”・店内
ギョッと目を凝らす一夫。
モニター画面は、洋画である。
一夫、ため息をつく。
□ 甘味喫茶“あんみつ姫”・店内
みどり「お兄さんも........って? ちあき、何か知ってるわけ?」
ちあき「........」
加代子「........」
みどり「ズルいわ、二人でコソコソ。あたしたちに相談してくれたっていいでしょ。だいたい加代子は勝手よ。いつも自分ひとりで行動して!」
ひろみ「(キョトンと)なに怒ってンの?」
ちあき「みどり、真田先生が好きだったんだもんね」
みどり「(カッと)そんなことじゃないでしょ!」
怒って席を立つ。
みどり「行こ、ひろみ」
と、出てゆく。
ひろみ「ちょっと、みどりィ」
加代子とちあきを気にして追い掛けてゆく。
ため息の加代子とちあき。
ちあき「........お酒飲んだの、樋口のせいでしょ?」
加代子「(ドキッとちあきを見る)........どうして」
ちあき「自分で喋ったじゃない」
加代子「あたしが?」
ちあき「『浩介のバカヤロオ!』」
加代子「........」
ちあき「『どいつもこいつも里奈さんのどこがいいのよ!』」
加代子「........」
ちあき「『真田先生、知ってる? 浩介と里奈さんが........』」
加代子「(赤面して)ストップ!」
ちあき「しょうがないなあ、酔っぱらい」
と言うが、加代子のことを本気で心配して。
加代子「........」
□ 真田先生のアパート・中
台所に立ち、料理を作っている岩石先生。
――エプロン姿である。
真田先生「(困った顔で)気を遣わないでください」
岩石先生「食事ぐらい作らせてください。長逗留になると思いますから........結構得意なんですよ」
と、せっせと作る。
真田先生、見えないところで嫌な顔をする。
部屋の隅に、岩石先生の旅行鞄が二つ三つある。
□ 岩石先生のアパート・表
吉本先生がチャイムを鳴らしている。
返事がなく、首をかしげている。
□ 真田先生のアパート・中
真田先生「しかし、熱心ですねえ、吉本先生も。この際........」
岩石先生「(遮って)冗談でもそういうこと言わないで下さい!」
その時、チャイムが鳴る。
!? 顔を見合わせる二人。
岩石先生「........ひょっとして」
真田先生「噂をすれば........?」
岩石先生、泣きそうな顔。
真田先生、おそるおそる扉を開ける。
ひろみとみどりが立っている。
真田先生「なんだ、お前たちか........」
ひろみとみどり、ア然となる。
真田先生の後ろで、岩石先生が押し入れに隠れようとしている。
真田先生「岩石先生、違いますよ」
岩石先生「え?」
と、振り返る。
みどりがペコリと頭を下げる。
ひろみ、慌てた様子でみどりを引っ張って出てゆく。
残された真田先生と岩石先生、ポカン。
真田先生「なんだ? あいつら」
□ 同・表
ひろみ「なによォ」
みどり「マズいわよ、あの二人........(と、耳打ちする)」
ひろみ「(素ッ頓狂に)ホモ!?」
みどり「おかしいでしょ、エプロンして、隠れようとして!」
ひろみ「加代子、それがショックでお酒を........(と、納得)」
みどり「........あたしも飲みたくなっちゃった」
二人、茫然と歩いてゆく。
□ 樋口家・浩介の部屋
浩介、ベッドに寝転がってため息をついている。
扉にノックがあり、タカ子が顔を出す。
タカ子「お客さんよ」
浩 介「........会いたくない」
タカ子「あら........上がってもらっちゃった。どうぞ」
ドキッと起き上がる浩介。
部屋に入ってきたのは、ちあきである。
浩 介「(意外で)ちあき........」
タカ子「(愛想笑いで)じゃ、ごゆっくり」
ちあき「(笑顔で)すいません」
タカ子が出てゆくと、ちあき、浩介に向き直って睨みつける。
浩 介「........なんの用だよ」
ちあき「言っとくけど、加代子に頼まれたわけじゃないからね」
浩 介「........」
ちあき「どういうつもり!? 加代子がいるのに川内のお姉さんと」
浩 介「(ビックリ)........あいつが喋ったのか」
ちあき「苦しくてどうしようもなくて、それでお酒を飲んで........あんたに加代子を責める権利はないわ」
浩 介「........」
ちあき「川内だってそんなことしないよ」
浩介、キッとちあきを見る。
□ フラッシュ
女と一緒にラブホテルに入ってゆく二三夫。
□ 元の浩介の部屋
ちあき「(浩介の視線に)なによ」
浩 介「(首を振る)........大きなお世話だ」
ちあき「あんたってサイテー! 加代子が真田先生にいっちゃうのも判るわ」
浩 介「――どういう意味だよ」
ちあき「あんたが先に裏切ったんだからね」
と、捨て台詞で出てゆく。
浩 介「........」
浩介、ちあきの言葉の意味を考えて――
□ 木下家・加代子の部屋
ベッドに寝転んでいる加代子。
葉月が入って来る。
葉 月「昨夜、どこに泊まったの?」
加代子「........」
葉 月「浩介くんと一緒じゃなかったってことは........」
加代子「(遮って)ウルサイ」
葉 月「もう協力してあげないから。昨日のことだってママに話しちゃうからね!」
加代子「勝手にしてよ。寝かせて........」
葉 月「お姉ちゃん........」
加代子、落ち込んでいる。
□ ――C・M――
番組データへ
(2)へ続く

(C)Copyright 2000 Kazuhiko Ban. All rights reserved.