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●七瀬ふたたび 第5回 (1)

1 前回までのダイジェスト
2 瑠璃のマンション・全景(朝)
一週間後。
3 同・室内
七瀬、瑠璃、朗が朝食を取っている。
瑠璃、明るく美容室の噂話などしている。
瑠 璃 「……でね、そのお客さんの注文全部聞いてたら、すごい髪形になっちゃって」
ぼんやりしている七瀬。
瑠 璃 「七瀬、聞いてる?」
七瀬「え?」
瑠 璃 「もう……もしかして寝てた?」
瑠璃の心の声「心配/七瀬/ずっと元気ない」
七 瀬 「(嬉しい。微笑んで)ごめん、瑠璃」
朗  「淋しいんでしょ。コースケさんから連絡なくて」
七 瀬 「(不意を突かれた感じで)え?」
瑠 璃 「どういうこと? 七瀬、コースケさんと何かあったわけ?
朗  「何かって何?」
瑠 璃 「やあね。子供は聞かなくていいの」
朗  「自分で言い出したんだろ」
瑠 璃 「この……生意気朗!」
瑠璃が朗をくすぐったりと、二人で盛り上がる。
七瀬、頬が緩むが、ふと真顔になって。
     ×     ×     ×
フラッシュ(七瀬の回想)
水族館の水槽の前。
七瀬にキスしている恒介。
     ×     ×     ×
七瀬の心の声「……恒介さん。どこにいるの」
4 □□県□□島
恒介、森の中を歩いている。
やがて、目の前が開ける。
恒 介 「(何かを発見して)……!」
恒介の視線の先。
古びた洋館がひっそりと立っている。その向こうに
海が見える。
恒 介 「……」
5 とある公園など(ヘンリーのアパート近く)
ヘンリーがマジックの練習をしている。
背後に高村刑事。
高村刑事「なぜ西尾を突き落としたと言った?」
ヘンリー「覚えてないって言ったでしょう」
高村刑事「本当は火田七瀬を庇おうとしたんじゃないのか」
ヘンリー「(手を止め、振り返り)違いますって。しつこいなあ」
高村刑事「……まあいい。(メモを取り出して)彼女は、友人の部屋に居候してるんだったな」
高村刑事、踵を返して歩き出す。
ヘンリー「(その背中に)七瀬ちゃんのことは放っておいてくれ」
高村刑事「(立ち止まり)君たちの疑いは晴れたんだ。警察には、何もできやしないよ」
高村刑事が去る。見送るヘンリー。
ヘンリー「……七瀬ちゃんに何かしたら、俺が許さない」
6 瑠璃のマンション・瑠璃の部屋の玄関
七瀬、出かけていく瑠璃と朗を見送る。
七 瀬 「行ってらっしゃい」
瑠璃・朗「行ってきまーす」
7 同・入り口
朗と瑠璃が出てくる。
瑠 璃 「車に気をつけてね。知らない人についてっちゃダメだぞ」
朗  「(苦笑)はいはい」
互いに手を振り合い、左右に別れる二人。
朗を追う視線−−−高村刑事である。
高村刑事「……!?」
8 同・室内
七瀬、台所で皿を洗っている。と、手が滑り、ガラスのコップが床に落ちる。コップが割れる。
七 瀬 「!」
9 フラッシュ(七瀬の回想)
西尾に捕らわれている七瀬。正面にヘンリー。
七 瀬 「(苦しく)殺……して!」
10 元の室内
七 瀬 「……(悲痛)」
     ×     ×     ×
七瀬、鞄から写真立てを取り出す。子供の頃の七瀬、横で微笑む精一郎と静子。
七 瀬 「……お父さん。私は何なの?」
11 フラッシュ(七瀬の回想)
集中治療室に横たわる静子。
静子の心の声「七瀬は/どうなるの?」
     ×     ×     ×
精一郎「……このまま忘れさせるんだ」
12 元の室内
七 瀬 「(写真に)教えて……何を忘れさせようとしたの?」
13 フラッシュ(七瀬の回想)
精一郎「しばらく姿を隠す……危険なんだ」
     ×     ×     ×
葬儀に来ている藤子。
藤子の心の声「火田先生は本当に/亡くなったんだろうか」
     ×     ×     ×
西 尾 「お前は俺の同類じゃない、俺以上の悪だよ。悪意の塊なんだよ」
14 元の室内
七 瀬 「(写真に)どうしてこんな力があるの? 私は悪い存在なの? ……だから、お父さんは私を捨てたの?」
写真。精一郎の笑顔。
七 瀬 「どうしてそばにいてくれなかったの? お父さん……何もわからないよ。答えてよ。(悲しみと怒り)お父さん!」
七瀬、写真立てを床に投げつけようとするが−−−できない。嗚咽。
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(2)へ続く

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