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●七瀬ふたたび 第9回 (1)

□ 前回までのダイジェスト
七瀬は、人の心を変えることが出来るアクティブ・テレパスだと判る。
NPO法人を装った秘密組織もそのことを知り、七瀬を仲間に引き入れようとする。
七瀬は拒否する。組織が七瀬を強引に連れ去ろうとした時、瑠璃が身代わりになり、凶弾に倒れた。
□ □□病院・全景
――浅い夜。
□ 同・集中治療室
昏睡状態の瑠璃、蘇生処置を受けている。
□ 同・廊下
七瀬、祈るような気持ちで集中治療室のドアを瞶めている。
七 瀬「……」
そこへ、藤子、朗、ヘンリーがやってくる。
藤 子「(つらく)七瀬さん」
朗、ヘンリー、七瀬を見守る。
七 瀬「私のせい……私の……」
朗  「大丈夫、きっと助かるって」
七 瀬「(顔を上げ)……恒介さんは?」
朗  「ステージがあるから、って……」
七 瀬「――」
ヘンリー「(朗に)コースケさん、瑠璃ちゃんの未来は見えてないの?」
朗  「教えてくれなかった」
藤 子「……」
七 瀬「……」
七瀬の心の声「恒介さん。どうして来ないんですか?」
朗  「コースケさんはテレパスじゃないから、お姉ちゃんの声は届かないよ」
七 瀬「……」
□ マジックバー“?”・店内
――満員盛況。
恒介がステージでマジックをしている。
増田店長、カウンターで心配そうにその様子を見ている。
恒介、マジックを失敗する。
が、ギャグにしてうまく誤魔化す。
恒介、ステージを終え、カウンターに戻ってくる。
恒 介「……すみません」
増田店長、ため息で恒介の肩を叩くと、ステージに出て行く。
恒介、怪訝。
増田店長「みなさま、コースケのマジックは楽しんでいただけたでしょうか?」
客たち、拍手する。
増田店長「ありがとうございます。大変申し訳ありませんが、今日のステージは今の回を持ちまして終了です」
恒介、!
□ □□病院・廊下
七 瀬「……」
七瀬、じっと祈っている。
□ タイトル
□ □□病院・表
恒介と増田店長がやってくる。
恒 介「(気が重く)……」
□ 同・廊下
やってきた恒介、ドキッとなる。
長い廊下。
ソファに呆然と座り、ペンダントを握りしめている七瀬。
――恒介が予知した情景である。
恒 介「……」
増田店長「七瀬ちゃん」
七瀬、顔をあげ、二人を見る。
増田店長「瑠璃ちゃんは?」
七 瀬「(首を振り)……」
増田店長、恐る恐る集中治療室に入っていく。
恒 介「(七瀬を見て)……」
七 瀬「……」
□ 同・集中治療室
藤子、朗、ヘンリーが瑠璃のベッドの傍にいる。
ヘンリー「(増田店長に)まだ、意識が戻りません」
藤 子「今夜を乗り切れば、なんとか……」
増田店長「(心配そうに瑠璃の顔を眺め)……美味しい匂いがしたらすぐにも目を覚ましそうだけどねぇ」
□ 同・廊下
七瀬と恒介、押し黙っている。
七 瀬「……」
恒 介「……」
七 瀬「……瑠璃と一緒にいろ、って言いましたよね?」
恒 介「……」
七 瀬「瑠璃と一緒にいれば安全だって」
恒 介「……」
七 瀬「見えてたんですね、こうなること。私が襲われても瑠璃が死ぬから大丈夫。そういう意味だったんですね」
恒 介「――」
七 瀬「(見据えて)……」
恒 介「……ああ」
七 瀬「――」
恒 介「……」
七 瀬「(涙を浮かべ)瑠璃が死んだら……あなたを許さない」
恒 介「――」
□ 同・集中治療室
増田店長「(時間を見て)朗くん、帰ろうか」
朗  「でも……」
藤 子「そうしなさい。もう遅いから」
朗  「(頷き)何かあったら知らせてよ」
ヘンリー「知らせなくてよきゃいいけど」
藤 子「……」
□ 同・玄関
高村刑事と江藤刑事が入っていく。
□ 同・廊下
高村刑事と江藤刑事がやってくる。
七瀬、藤子、ヘンリーがいる。
七瀬はじっと祈っている。
高村刑事「容体は?」
藤 子「予断を許しません」
ヘンリー「逮捕したの?」
高村刑事「まだ……」
ヘンリー「(苛立ち)何やってンだよ、警察は!」
藤 子「犯人はパクス・シエンティアのメンバーです」
江藤刑事「それはありえない」
藤 子「どうして」
江藤刑事「パクス・シエンティアは世界平和に貢献する科学者たちの団体だ。ちゃんとした活動をしているNPOだ」
高村刑事「(藤子に)私も調べたが、今のところ何も出てきてない」
江藤刑事「凶器の拳銃が発見された」
藤子たち、!
江藤刑事「暴力団関係者に広く出回っているもので、出所を探っている」
ヘンリー「こんなとこ来てないでさっさと探せよ」
江藤刑事「(ムッと)捜査員は俺たちだけじゃないんだ」
高村刑事「七瀬さん、犯人の似顔絵を作りたい。協力してくれるね?」
七 瀬「……待って下さい。瑠璃が意識を回復するまでは……」
江藤刑事「捜査が後手に回ってもいい……」
藤 子「(遮り)七瀬さんに、祈らせてあげて」
高村刑事「(江藤刑事を制して)待とう」
七瀬、じっと祈っている。
□ 繁華街
ファミレスがある。
□ ファミレス・店内
恒介、ため息をついている。
恒 介「……」
□ フラッシュ(回想)
七 瀬「(涙を浮かべ)瑠璃が死んだら……あなたを許さない」
□ 元の店内
恒 介「(つらく)……」
店に武田が入ってくる。恒介を見つけ、やってくる。
武 田「よお」
恒 介「……悪かったな、夜中に呼び出して」
武 田「(笑顔で)俺の話を聞く気になってくれたんだ。嬉しいよ」
恒 介「色々イヤになってね、武田みたいな心持ちになれるんなら、NPO活動もいいかな、と思って」
武 田「ああ。世界が変わるぞ。いや、俺たちの手で世界を変えるんだ」
恒 介「世界を変える?」
武 田「(疑いもなく)ああ」
恒 介「世界が変えられるのか。パクス・シエンティアは……」
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(2)へ続く

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