| □ 前回までのダイジェスト |
| 七瀬は、人の心を変えることが出来るアクティブ・テレパスだと判る。 |
| NPO法人を装った秘密組織もそのことを知り、七瀬を仲間に引き入れようとする。 |
| 七瀬は拒否する。組織が七瀬を強引に連れ去ろうとした時、瑠璃が身代わりになり、凶弾に倒れた。 |
| □ □□病院・全景 |
| ――浅い夜。 |
| □ 同・集中治療室 |
| 昏睡状態の瑠璃、蘇生処置を受けている。 |
| □ 同・廊下 |
| 七瀬、祈るような気持ちで集中治療室のドアを瞶めている。 |
| 七 瀬 | 「……」 |
| そこへ、藤子、朗、ヘンリーがやってくる。 |
| 藤 子 | 「(つらく)七瀬さん」 |
| 朗、ヘンリー、七瀬を見守る。 |
| 七 瀬 | 「私のせい……私の……」 |
| 朗 | 「大丈夫、きっと助かるって」 |
| 七 瀬 | 「(顔を上げ)……恒介さんは?」 |
| 朗 | 「ステージがあるから、って……」 |
| 七 瀬 | 「――」 |
| ヘンリー | 「(朗に)コースケさん、瑠璃ちゃんの未来は見えてないの?」 |
| 朗 | 「教えてくれなかった」 |
| 藤 子 | 「……」 |
| 七 瀬 | 「……」 |
| 七瀬の心の声 | 「恒介さん。どうして来ないんですか?」 |
| 朗 | 「コースケさんはテレパスじゃないから、お姉ちゃんの声は届かないよ」 |
| 七 瀬 | 「……」 |
| □ マジックバー“?”・店内 |
| ――満員盛況。 |
| 恒介がステージでマジックをしている。 |
| 増田店長、カウンターで心配そうにその様子を見ている。 |
| 恒介、マジックを失敗する。 |
| が、ギャグにしてうまく誤魔化す。 |
| 恒介、ステージを終え、カウンターに戻ってくる。 |
| 恒 介 | 「……すみません」 |
| 増田店長、ため息で恒介の肩を叩くと、ステージに出て行く。 |
| 恒介、怪訝。 |
| 増田店長 | 「みなさま、コースケのマジックは楽しんでいただけたでしょうか?」 |
| 客たち、拍手する。 |
| 増田店長 | 「ありがとうございます。大変申し訳ありませんが、今日のステージは今の回を持ちまして終了です」 |
| 恒介、! |
| □ □□病院・廊下 |
| 七 瀬 | 「……」 |
| 七瀬、じっと祈っている。 |
| □ タイトル |
| □ □□病院・表 |
| 恒介と増田店長がやってくる。 |
| 恒 介 | 「(気が重く)……」 |
| □ 同・廊下 |
| やってきた恒介、ドキッとなる。 |
| 長い廊下。 |
| ソファに呆然と座り、ペンダントを握りしめている七瀬。 |
| ――恒介が予知した情景である。 |
| 恒 介 | 「……」 |
| 増田店長 | 「七瀬ちゃん」 |
| 七瀬、顔をあげ、二人を見る。 |
| 増田店長 | 「瑠璃ちゃんは?」 |
| 七 瀬 | 「(首を振り)……」 |
| 増田店長、恐る恐る集中治療室に入っていく。 |
| 恒 介 | 「(七瀬を見て)……」 |
| 七 瀬 | 「……」 |
| □ 同・集中治療室 |
| 藤子、朗、ヘンリーが瑠璃のベッドの傍にいる。 |
| ヘンリー | 「(増田店長に)まだ、意識が戻りません」 |
| 藤 子 | 「今夜を乗り切れば、なんとか……」 |
| 増田店長 | 「(心配そうに瑠璃の顔を眺め)……美味しい匂いがしたらすぐにも目を覚ましそうだけどねぇ」 |
| □ 同・廊下 |
| 七瀬と恒介、押し黙っている。 |
| 七 瀬 | 「……」 |
| 恒 介 | 「……」 |
| 七 瀬 | 「……瑠璃と一緒にいろ、って言いましたよね?」 |
| 恒 介 | 「……」 |
| 七 瀬 | 「瑠璃と一緒にいれば安全だって」 |
| 恒 介 | 「……」 |
| 七 瀬 | 「見えてたんですね、こうなること。私が襲われても瑠璃が死ぬから大丈夫。そういう意味だったんですね」 |
| 恒 介 | 「――」 |
| 七 瀬 | 「(見据えて)……」 |
| 恒 介 | 「……ああ」 |
| 七 瀬 | 「――」 |
| 恒 介 | 「……」 |
| 七 瀬 | 「(涙を浮かべ)瑠璃が死んだら……あなたを許さない」 |
| 恒 介 | 「――」 |
| □ 同・集中治療室 |
| 増田店長 | 「(時間を見て)朗くん、帰ろうか」 |
| 朗 | 「でも……」 |
| 藤 子 | 「そうしなさい。もう遅いから」 |
| 朗 | 「(頷き)何かあったら知らせてよ」 |
| ヘンリー | 「知らせなくてよきゃいいけど」 |
| 藤 子 | 「……」 |
| □ 同・玄関 |
| 高村刑事と江藤刑事が入っていく。 |
| □ 同・廊下 |
| 高村刑事と江藤刑事がやってくる。 |
| 七瀬、藤子、ヘンリーがいる。 |
| 七瀬はじっと祈っている。 |
| 高村刑事 | 「容体は?」 |
| 藤 子 | 「予断を許しません」 |
| ヘンリー | 「逮捕したの?」 |
| 高村刑事 | 「まだ……」 |
| ヘンリー | 「(苛立ち)何やってンだよ、警察は!」 |
| 藤 子 | 「犯人はパクス・シエンティアのメンバーです」 |
| 江藤刑事 | 「それはありえない」 |
| 藤 子 | 「どうして」 |
| 江藤刑事 | 「パクス・シエンティアは世界平和に貢献する科学者たちの団体だ。ちゃんとした活動をしているNPOだ」 |
| 高村刑事 | 「(藤子に)私も調べたが、今のところ何も出てきてない」 |
| 江藤刑事 | 「凶器の拳銃が発見された」 |
| 藤子たち、! |
| 江藤刑事 | 「暴力団関係者に広く出回っているもので、出所を探っている」 |
| ヘンリー | 「こんなとこ来てないでさっさと探せよ」 |
| 江藤刑事 | 「(ムッと)捜査員は俺たちだけじゃないんだ」 |
| 高村刑事 | 「七瀬さん、犯人の似顔絵を作りたい。協力してくれるね?」 |
| 七 瀬 | 「……待って下さい。瑠璃が意識を回復するまでは……」 |
| 江藤刑事 | 「捜査が後手に回ってもいい……」 |
| 藤 子 | 「(遮り)七瀬さんに、祈らせてあげて」 |
| 高村刑事 | 「(江藤刑事を制して)待とう」 |
| 七瀬、じっと祈っている。 |
| □ 繁華街 |
| ファミレスがある。 |
| □ ファミレス・店内 |
| 恒介、ため息をついている。 |
| 恒 介 | 「……」 |
| □ フラッシュ(回想) |
| 七 瀬 | 「(涙を浮かべ)瑠璃が死んだら……あなたを許さない」 |
| □ 元の店内 |
| 恒 介 | 「(つらく)……」 |
| 店に武田が入ってくる。恒介を見つけ、やってくる。 |
| 武 田 | 「よお」 |
| 恒 介 | 「……悪かったな、夜中に呼び出して」 |
| 武 田 | 「(笑顔で)俺の話を聞く気になってくれたんだ。嬉しいよ」 |
| 恒 介 | 「色々イヤになってね、武田みたいな心持ちになれるんなら、NPO活動もいいかな、と思って」 |
| 武 田 | 「ああ。世界が変わるぞ。いや、俺たちの手で世界を変えるんだ」 |
| 恒 介 | 「世界を変える?」 |
| 武 田 | 「(疑いもなく)ああ」 |
| 恒 介 | 「世界が変えられるのか。パクス・シエンティアは……」 |