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●うちの子にかぎって........2 第一回(1)

□ 吉祥寺本町小学校・五年三組の教室
――三学期の終業式当日である。
石橋先生、通知表を渡している。
子供たち、相変わらずの騒がしさである。
石橋先生「(渡し終わり)静かに! お前ら、最後までうるさいんだな」
若林知子「最後だからいいじゃない」
「それは言える」
佐竹みどり「センセ、環も六年になれるんですか」
西川環「(ムカッと睨み)当たり前だろ」
永田真知子「小学校は落第がなくて良かったわねえ」
青木朝子「例外ってないのかしら」
「あったまにくるなぁ」
子供たち、ワイワイ。
石橋先生「コラッ! 六年になってもその調子か? 先生恥ずかしいぞ、五年の時の担任は何をやってたんだ、なんて言われたら」
「えーッ、六年も先生の受け持ちじゃないんですか?」
石橋先生「残念ながら、クラス替えもあるんだ」
「そんなのないよォ」
またまた騒がしくなる子供たち。
深見信哉「良かった」
竹田義一「なんでだよ、深見」
深 見「静かに勉強したいんだ。来年の今頃は私立中学の入試だからね」
「可愛くねえなぁ、最後まで........」
深川高子「綾ちゃん、一緒のクラスになれたらいいね」
中上綾「(可愛い笑顔で)うん」
「綾ちゃんと同じクラスじゃないとつまんないよ」
「そうだよなあ」と、男の子たち。
「石橋先生だってうるさくなくて良かったのにィ」
「ま、気分が変わっていいんじゃない?」
「僕は、女子大でたばっかの色っぽい先生がいいな」
「嫌な先生に当たったらどうしよォ」
「あたしたちで先生選べないのかしら?」
「選ぶ権利あったっておかしくないよな」
「そうだそうだ」
石橋先生「(呆れて)よくそれだけ勝手なことがいえるなあ」
スッと正代が立ち上がる。
何事かと見る石橋先生と子供たち。
正 代「本当にこれでお別れなんですか」
石橋先生「........」
正 代「(泣きそうな顔で)素敵な先生だったのに........たった一年で........」
正代、絶句してしまう。
シンとなる教室内。
みどり「(も泣きそうな顔で立ち上がり)あたし........六年生になりたくない!」
石橋先生「(グッと胸に来て)........他の学校にいっちゃうわけじゃないんだから........」
竹 田「(もマジな顔で)先生!」
正 代「先生!」
と、感極まって、石橋先生の許に駆け寄る。
それがきっかけになり、子供たち全員が口々に「先生!」と叫びながら教壇へ殺到する。
石橋先生「........先生、嬉しいぞ........」
しばし、青春ドラマで盛り上がる。
――終業のチャイムが鳴る。
「あ、時間だ」
誰かが言った。すると、まるで潮が引くように石橋先生から離れてゆく子供たち。
石橋先生、呆気にとられる。
「じゃあね、先生」
「バイバイ」
子供たち、明るく通知表を振りながら教室を出てゆく。
石橋先生、やられた!
その顔がSTOPして――
□ タイトル
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(2)へ続く

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