NAVI

●うちの子にかぎって........2 第六回(1)

□ 吉祥寺の街
けたたましくサイレンを鳴らして、数台のパトカーが疾走してゆく。
□ 吉祥寺本町小学校・近くの空地
黒塗りの車がパトカーに行手を阻まれる。
車の屋根に飛び乗り、ザッとマントを翻す覆面の紳士――怪人二十面相!
ビシッとスーツを決めた――明智小五郎、参上!
明智小五郎「二十面相! もう逃げられんぞ」
少年探偵団のメンバーも勢揃いしている。
二十面相「(例の高笑いで)明智くん、少年探偵団の諸君、よくここまで私を追い詰めたな」
「カット!!」
と、声がかかる。
――テレビ映画の撮影中である。
遠巻きにしている野次馬。その中に、登校途中の石橋先生、五年三組の牛島哲也、吉本安弘、佐藤純一らがいる。
「お早うございまーす」
と、芹沢朋子、林絵里、諏訪いづみがやってくる。
石橋先生「お早う」
朋 子「(安弘に)ね、ね、なにやってるの?」
安 弘「(少しドギマギして朋子を見る)........」
哲 也「(朋子を見て)テレビの撮影だよ」
純 一「(撮影を見たまま)『少年探偵団』って新番組」
絵 里「なあに、それ」
いづみ「あれでしょ、二十面相がどうのこうのって」
絵 里「二十一面相じゃなくて?」
石橋先生「江戸川乱歩の小説であるだろう?」
朋 子「バッカみたい、あんなカッコしちゃって」
いづみ「リアリティ、全然ないじゃない」
絵 里「今時ウケると思ってるのかしら」
朋 子「あの子たち(子役)、学校どうしてるのかしら」
いづみ「生意気そうなガキばっかりね」
助監督「本番です!! お静かに願います!!」
石橋先生、哲也たち、撮影に注目する。
二十面相、上空から垂れ下がってきたロープにぶら下がる。
ハッとなる明智、少年探偵団、警官たち。
二十面相、クレーン車に吊り上げられる。
石橋先生「あれ、気球で逃げるって設定だろ?」
絵 里「やーね、先生まで夢中になっちゃって」
朋 子「行こ。センセ、遅刻しないでね」
朋子たち、行ってしまう。
哲也と安弘、朋子の後ろ姿を見送る。
純 一「まったく........女って夢がないなあ........ね、先生」
石橋先生、苦笑する。
二十面相「さらばだ! 明智くん、少年探偵団の諸君!」
空中を移動する二十面相。
哲 也「(目を輝かせて)........少年探偵団、か」
□ タイトル
番組データへ
(2)へ続く

(C)Copyright 1998 Kazuhiko Ban. All rights reserved.