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●うちの子にかぎって........2 第七回(1)

□ 吉祥寺本町小学校・五年三組の教室
授業中の石橋先生。(例えば国語)
黒板の字を一生懸命ノートに写している子供。
隣の子とヒソヒソ話をしている子供。
頬杖をついてボンヤリと窓の外を見ている子供、などなど........子供たちの自然な授業態度を見せて。
石橋先生「原島、次を読んでくれ」
「はい」
と、立ち上がって教科書を読み始める――原島つばさ。聡明そうな女の子である。
現実音、消えて――
つばさのN「今日は私が主役です」
□ 原島家・表
――閑静な住宅街にある、立派な一戸建。
つばさのN「ここが私の家です」
玄関の扉が開き、つばさの父・武彦が出てきて、車に乗り込む。――恰幅のいい紳士である。
つばさのN「弁護士のお父さん。ワイドショーの人生相談の回答者をしているので、ちょっとした有名人です。でも仕事が忙しくて事務所に泊まり込むことが多く、うちでは忘れられた存在です」
□ 同・稽古場
日本舞踊を舞うつばさの母・志津香。――着物の似合う美人である。
つばさのN「お母さん。うちで日本舞踊を教えています。美人だけど、気の強いところがあります」
志津香にかわって矢野先生が踊り始める。
つばさのN「女は女らしく、というのがお母さんの口癖。矢野先生は、そんなお母さんのお気に入りのお弟子さんです」
正座して矢野先生の踊りを見ているつばさ。着物姿である。
つばさのN「私も、お母さんに習っています」
つばさ、足がしびれてモゾモゾやる。
志津香、目敏く見つけて扇子でピシッと打つ。
□ グラウンド
サッカーボールを追って走り回る、揃いのユニホーム姿のママさんたち。
大声で指示を与えているコーチの石山と木元。
ドドッと敵陣に攻め込み、シュートするつばさの祖母・サダ。チームの最年長者である。
つばさのN「元気なおばあちゃん。ゲートボールに誘われたのがくやしくて、ママさんサッカーを始めました」
原島家の前で――サダのパスの練習の相手をしているつばさ。
つばさのN「私はおばあちゃんの練習台です。でも、サッカーもなかなか面白そうです。........実は、このおばあちゃんとお母さんが問題なんです」
□ 原島家・リビング
食事しているつばさ、サダ、志津香。
サ ダ「(おかずを一口食べて)志津香さん、なんです、これ........塩が全然きいてないじゃないですか」
志津香「(シレッと)お義母さまの高血圧が心配なんです」
サ ダ「味気ない料理ばかり食べさせられるくらいなら、高血圧になったほうがマシですよ。他にも血圧の上がるタネはありますからね(と、志津香を一瞥する)」
志津香「(軽く受けて)お判りになってるんでしたらおやめになれば? サッカー」
サ ダ「(ブツブツ)判ってないんだから........」
つばさ、我関せず食べている。
つばさのN「そうなんです。言わずと知れた嫁と姑」
志津香「(つばさに)なんですか、そのお箸の使いかた」
つばさ「はーい」
サ ダ「気にすることありません。おいしくいただくことが第一です」
志津香「(つばさに)ちゃんと礼儀作法を弁えなければ、結婚して困りますよ。おばあちゃんみたいにざっくばらんなお姑さんは珍しいんだから」
サダ、ムッと志津香を睨む。
つばさのN「うちはよそと違って、嫁の方が古風、姑の方が現代的なんです」
――現実音、消えて。
激しく言い合っているサダと志津香。
呆れて見ているつばさ。
つばさのN「私、どちらの味方でもありません。お母さんもおばあちゃんも大好きなんだもん」
□ タイトル
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(2)へ続く

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