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●うちの子にかぎって........2 第八回(1)

□ 吉祥寺本町小学校・五年三組の教室
――ホームルーム。
各係からのお願い、提案などを話し合っている。
石橋先生、窓際の金魚鉢の近くでのんびり見ている。
海老沢和美、指名を受けて立つ。
和 美「(気取って)えー、わたくしが会計係の海老沢です」
「言わなくても判ってるって」
和 美「まだ遠足代を持ってきてない人がいます。(一転すごんで)居作! 羽田! 期限はとっくに過ぎてるんだ。とっとと払ってもらおうか」
首をすくめる居作と羽田。
羽 田「恐え〜、サラ金真ッ青」
居 作「家計が苦しくて払えません」
和 美「貧乏ブリッ子するなよな」
「見たもんね、昨日ゲーセンで遊んでたでしょ」
居 作「(ヤバイ!)」
石橋先生「なんだ、ゲーセンって」
居 作「なんでもありません」
「ゲームセンターのことです」
石橋先生「居作、使い込んじゃったのか、遠足代」
居 作「そんなことないです」
和 美「だったら明日ちゃんと持ってこいよな」
居 作「(ブスッと)判ったよ」
和 美「失礼しました(と、座る)」
石橋先生「(教壇に来て)あまりうるさいことは言いたくないが、ゲームセンターなんかで無駄遣いしないほうがいいと思うな」
居 作「はーい」
「先生、自分のお金なんだから、なにに使おうと勝手じゃないですか」
石橋先生「そりゃ、そうだが........」
和 美「自分で稼いでるわけでもないのに、なに言ってるの」
「僕たち小学生は勉強することが仕事なんでしょ? だったら、小遣いは給料みたいなもんでしょ」
「そうだそうだ」
「俺ンち給料安いよ」
「ママなんかね、あたしが買ってくるもの、みんな無駄だって言うんだから、やんなっちゃう」
「うちも。自分が無駄遣いするくせに、子供には貯金しろ貯金しろって」
「貯金なんてクダらないよな。使わにゃソンソン」
「金は天下のまわりもの」
「僕には全然まわってこないよ」
羽 田「(歌う)金のないやつは俺ンとこへ来い。俺もないけど心配すんな」
みんな、キョトンとなっている。
「なあに、その歌」
羽 田「先生、知ってるでしょ。植木等が歌ってた」
石橋先生「(苦笑して)どうして知ってるんだ?」
羽 田「最近親父の得意の鼻唄なんです」
「親も子も金がないってことか」
羽 田「(ムッとなるが歌う)見ーろよ、青い空、白い雲♪ そのうちなんとか、なーるだろぉ!」
ドッと盛り上がり“黙って俺についてこい”を歌う子供たち。
呆れて見ている石橋先生。
和 美「(ポツリ呟く)判ってないわね........自分でなんとかしないとどうにもならないのが、お金なんだけどなァ」
□ タイトル
“黙って俺についてこい”、流れて――
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(2)へ続く

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