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| □ 吉祥寺本町小学校・五年三組の教室 | |
| ――ホームルーム。 | |
| 各係からのお願い、提案などを話し合っている。 | |
| 石橋先生、窓際の金魚鉢の近くでのんびり見ている。 | |
| 海老沢和美、指名を受けて立つ。 | |
| 和 美 | 「(気取って)えー、わたくしが会計係の海老沢です」 |
| 「言わなくても判ってるって」 | |
| 和 美 | 「まだ遠足代を持ってきてない人がいます。(一転すごんで)居作! 羽田! 期限はとっくに過ぎてるんだ。とっとと払ってもらおうか」 |
| 首をすくめる居作と羽田。 | |
| 羽 田 | 「恐え〜、サラ金真ッ青」 |
| 居 作 | 「家計が苦しくて払えません」 |
| 和 美 | 「貧乏ブリッ子するなよな」 |
| 「見たもんね、昨日ゲーセンで遊んでたでしょ」 | |
| 居 作 | 「(ヤバイ!)」 |
| 石橋先生 | 「なんだ、ゲーセンって」 |
| 居 作 | 「なんでもありません」 |
| 「ゲームセンターのことです」 | |
| 石橋先生 | 「居作、使い込んじゃったのか、遠足代」 |
| 居 作 | 「そんなことないです」 |
| 和 美 | 「だったら明日ちゃんと持ってこいよな」 |
| 居 作 | 「(ブスッと)判ったよ」 |
| 和 美 | 「失礼しました(と、座る)」 |
| 石橋先生 | 「(教壇に来て)あまりうるさいことは言いたくないが、ゲームセンターなんかで無駄遣いしないほうがいいと思うな」 |
| 居 作 | 「はーい」 |
| 「先生、自分のお金なんだから、なにに使おうと勝手じゃないですか」 | |
| 石橋先生 | 「そりゃ、そうだが........」 |
| 和 美 | 「自分で稼いでるわけでもないのに、なに言ってるの」 |
| 「僕たち小学生は勉強することが仕事なんでしょ? だったら、小遣いは給料みたいなもんでしょ」 | |
| 「そうだそうだ」 | |
| 「俺ンち給料安いよ」 | |
| 「ママなんかね、あたしが買ってくるもの、みんな無駄だって言うんだから、やんなっちゃう」 | |
| 「うちも。自分が無駄遣いするくせに、子供には貯金しろ貯金しろって」 | |
| 「貯金なんてクダらないよな。使わにゃソンソン」 | |
| 「金は天下のまわりもの」 | |
| 「僕には全然まわってこないよ」 | |
| 羽 田 | 「(歌う)金のないやつは俺ンとこへ来い。俺もないけど心配すんな」 |
| みんな、キョトンとなっている。 | |
| 「なあに、その歌」 | |
| 羽 田 | 「先生、知ってるでしょ。植木等が歌ってた」 |
| 石橋先生 | 「(苦笑して)どうして知ってるんだ?」 |
| 羽 田 | 「最近親父の得意の鼻唄なんです」 |
| 「親も子も金がないってことか」 | |
| 羽 田 | 「(ムッとなるが歌う)見ーろよ、青い空、白い雲♪ そのうちなんとか、なーるだろぉ!」 |
| ドッと盛り上がり“黙って俺についてこい”を歌う子供たち。 | |
| 呆れて見ている石橋先生。 | |
| 和 美 | 「(ポツリ呟く)判ってないわね........自分でなんとかしないとどうにもならないのが、お金なんだけどなァ」 |
| □ タイトル | |
| “黙って俺についてこい”、流れて―― | |
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(2)へ続く |
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