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| □ 珍しく――! | |
| 緊張した五年三組の子供たちの顔、顔、顔。 | |
| 最後に、緊張した林絵里と羽田の顔。 | |
| ピアノの伴奏が始まる。 | |
| □ 吉祥寺本町小学校・音楽室 | |
| ――音楽の授業中。 | |
| ピアノの横に立った絵里と羽田、石橋先生の伴奏で歌い始める。 | |
| はっきり言って二人とも、ヘタ。 | |
| 自分の席で緊張していた子供たち、一気にダーッとなってしまう。 | |
| 「音痴、音痴........」 | |
| 音痴コールが起きる。 | |
| 石橋先生 | 「(中断して)コラッ、静かにしないか」 |
| 音痴コールの中、子安次郎他数人がノートに点数を書いて掲げる。 | |
| ――30点! 20点! 18点! | |
| 羽 田 | 「(絵里に)お前、ちゃんと歌えよな」 |
| 絵 里 | 「あんたにつられておかしくなったんだから(と、罪のなすりあい)」 |
| 「どっちもどっちだよ」 | |
| 「先生、耐えられません」 | |
| 「あたしも聞きたくない」 | |
| 絵里と羽田、ムッとなっている。 | |
| 石橋先生 | 「なに言ってるんだ、テストだから我慢しろ」 |
| 羽 田 | 「先生........我慢しろ、はないでしょう........」 |
| 石橋先生 | 「あ........とにかく行くぞ」 |
| と、ピアノを弾き始める。 | |
| 絵里と羽田、一生懸命歌う。 | |
| 子供たち、ガヤガヤ。その中に岡田和人。イヤホンを耳に突っ込み、ラジオを聞いている。時々クスクス笑っている。 | |
| 石橋先生、気づいている。 | |
| 二人の歌が終わると、石橋先生、和人のところへ。 | |
| みんな、怪訝にガヤガヤ。和人は気づかない。 | |
| 石橋先生、イヤホンのジャックを抜く。 | |
| 大きなボリュームで流れ出す、ラジオの音。 | |
| ――ワイドショーの人生相談コーナーである。深刻そうな相談者の声と、威勢よく叱っている回答者の声。 | |
| 石橋先生、呆れ顔で和人を見る。 | |
| 和人、バツ悪そうに頭を掻く。 | |
| 「人生相談!? クラいなァ、岡田........」 | |
| 「なにか悩みがあるのか?」 | |
| 「出演してるの、お前の親父じゃないのか?」 | |
| 和 人 | 「違うよ。学校の先生なんだけどさ、浮気がバレて奥さんに逃げられて、赤ン坊抱えて困ってるって相談なんだ」 |
| 子供たち、ワイワイ。 | |
| 石橋先生 | 「ダメだろ、学校にラジオなんか持ってきたら........」 |
| 和 人 | 「(神妙な顔で)すいません。でも........人生の勉強になります」 |
| 石橋先生 | 「(苦笑して)........」 |
| 「やらせじゃないの、そういうラジオとか出る人って」 | |
| 「目立ちたいんだよ、世の中自分ほど不幸な人間はいない って........」 | |
| 「でも、ホントに可哀相な人っているんだよね。私だったら絶対自殺しちゃうって感じの........」 | |
| 和 人 | 「でも、そういうのが一番面白いんだよな、聞いてて」 |
| 林絵里 | 「(ムッと)岡田、人の不幸を面白がるなよな」 |
| 和 人 | 「だいたい、面白がるやつがいなかったら、人生相談番組なんか放送するわけないもん」 |
| 「そ、よくいうじゃないか、ホラ........」 | |
| 和 人 | 「他人の不幸は蜜の味!」 |
| 子供たち、ワイワイ盛り上がる。 | |
| 石橋先生、しょうがないな........といった顔で子供たちを見て―― | |
| □ タイトル | |
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