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●うちの子にかぎって........2 第十二回(1)

□ 珍しく――!
緊張した五年三組の子供たちの顔、顔、顔。
最後に、緊張した林絵里と羽田の顔。
ピアノの伴奏が始まる。
□ 吉祥寺本町小学校・音楽室
――音楽の授業中。
ピアノの横に立った絵里と羽田、石橋先生の伴奏で歌い始める。
はっきり言って二人とも、ヘタ。
自分の席で緊張していた子供たち、一気にダーッとなってしまう。
「音痴、音痴........」
音痴コールが起きる。
石橋先生「(中断して)コラッ、静かにしないか」
音痴コールの中、子安次郎他数人がノートに点数を書いて掲げる。
――30点! 20点! 18点!
羽 田「(絵里に)お前、ちゃんと歌えよな」
絵 里「あんたにつられておかしくなったんだから(と、罪のなすりあい)」
「どっちもどっちだよ」
「先生、耐えられません」
「あたしも聞きたくない」
絵里と羽田、ムッとなっている。
石橋先生「なに言ってるんだ、テストだから我慢しろ」
羽 田「先生........我慢しろ、はないでしょう........」
石橋先生「あ........とにかく行くぞ」
と、ピアノを弾き始める。
絵里と羽田、一生懸命歌う。
子供たち、ガヤガヤ。その中に岡田和人。イヤホンを耳に突っ込み、ラジオを聞いている。時々クスクス笑っている。
石橋先生、気づいている。
二人の歌が終わると、石橋先生、和人のところへ。
みんな、怪訝にガヤガヤ。和人は気づかない。
石橋先生、イヤホンのジャックを抜く。
大きなボリュームで流れ出す、ラジオの音。
――ワイドショーの人生相談コーナーである。深刻そうな相談者の声と、威勢よく叱っている回答者の声。
石橋先生、呆れ顔で和人を見る。
和人、バツ悪そうに頭を掻く。
「人生相談!? クラいなァ、岡田........」
「なにか悩みがあるのか?」
「出演してるの、お前の親父じゃないのか?」
和 人「違うよ。学校の先生なんだけどさ、浮気がバレて奥さんに逃げられて、赤ン坊抱えて困ってるって相談なんだ」
子供たち、ワイワイ。
石橋先生「ダメだろ、学校にラジオなんか持ってきたら........」
和 人「(神妙な顔で)すいません。でも........人生の勉強になります」
石橋先生「(苦笑して)........」
「やらせじゃないの、そういうラジオとか出る人って」
「目立ちたいんだよ、世の中自分ほど不幸な人間はいない って........」
「でも、ホントに可哀相な人っているんだよね。私だったら絶対自殺しちゃうって感じの........」
和 人「でも、そういうのが一番面白いんだよな、聞いてて」
林絵里「(ムッと)岡田、人の不幸を面白がるなよな」
和 人「だいたい、面白がるやつがいなかったら、人生相談番組なんか放送するわけないもん」
「そ、よくいうじゃないか、ホラ........」
和 人「他人の不幸は蜜の味!」
子供たち、ワイワイ盛り上がる。
石橋先生、しょうがないな........といった顔で子供たちを見て――
□ タイトル
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